“お得自慢”がステータスになった? 100万人が選んだ「dカード PLATINUM」の裏側:「ポイント経済圏」定点観測(4/7 ページ)
プラチナカードの価値は「ステータス」から「お得さ」へ――。dカード PLATINUMが100万会員を突破した背景には、還元率を誇る価値観の変化があった。コンシェルジュを捨て、実利に振り切った設計思想を追う。
コンシェルジュを切り捨てた理由
dカード PLATINUMには、コンシェルジュサービスがない。旅行の手配やレストランの予約を電話一本で代行してくれるこのサービスは、プラチナカードの象徴ともいえる存在である。なぜ、あえて外したのか。
江藤氏はこう話す。「あったほうがいいのは確かだが、本当に皆さん使っているのか」
運営側から見ても、コンシェルジュは維持するだけで相応のコストがかかる。そのコストは年会費に上乗せされ、最終的には会員が負担する。使わないサービスのために年会費が高くなるのであれば、その分を還元に回したほうがいい。これがドコモの判断だった。「お客さまにとっても実利が生まれるし、われわれにとっても実利のある特典を付けている。極めて実利を追求したカードだ」と江藤氏は語る。
この設計は、国際ブランドとの交渉を経て実現した。国際ブランドは、プラチナカードに一定のスペックを求める。だが江藤氏によると、電話料金の20%還元といった独自設計を前提に、従来のプラチナ要件の一部を緩和できたという。
結果として、dカード PLATINUMはドコモの携帯電話やドコモ光の利用料金に対し、入会初年度に最大20%のポイント還元を実現した。年間利用額が200万円を超えれば、2万円相当のクーポンも付与される。300万円超なら3万円相当、400万円超なら4万円相当だ。年会費2万9700円の大半を回収できる設計である。コンシェルジュという「見栄え」を捨て、還元という「実利」に振り切った。
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