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銀無垢色に輝くフェアレディZは、なぜ作られたのか 旧車のビジネスモデルに変化到来:高根英幸 「クルマのミライ」(3/5 ページ)
東京オートサロンは、カートレンドを象徴するイベントへと成長した。2026年もメーカーなどが趣向を凝らした展示を展開する中、異彩を放ったのは銀色に輝く日産フェアレディZ。異業種コラボによるアルミボディの製作は、どのように進められたのか。
異彩を放っていた、銀色に輝くフェアレディZ
東京オートサロンの展示車はどれも個性的だが、その中でも異彩を放つ1台があった。金属の質感をそのまま生かした銀色に輝く日産フェアレディZである。なんとボディパネルをすべてアルミ合金製に置き換えているのだ。
旧車、それも日産系で特にS30型のフェアレディZを扱うレストア専門店のスターロードと、国内自動車メーカーの試作車製作を請け負ってきた矢作産業が初めてコラボして企画・製作したモデルだという。
会場内で、矢作産業の長谷川崇常務に話を聞くことができた。まずは3Dスキャナーを使って3〜4台の車両からボディパネルのデータを計測したが、寸法はかなりのばらつきがあり、結局それらを参考値として設計し直したそうだ。
「ボンネットとドア、バックドアはインナーパネルを含めて完全に新設計しています。それでも純正のパーツが組み合わせられるようになっています」(長谷川常務)
オールアルミボディのS30Zを展示したスターロード。骨格部分は純正の鋼板製だが、39.4キロの軽量化に成功している。鉄とアルミの接合には構造用接着剤を用いて、電食を防ぎボディ剛性も高めている(写真:meiju0919)
使用している素材も、パネルの場所によってアルミ合金を使い分け、板厚も細かく変えているという。
「金型の精度や工作技術は昔より格段に向上しています。そして、今のクルマに使うアルミ素材を利用しているので、ボディ剛性の向上にも寄与していると思います」(同)
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