銀無垢色に輝くフェアレディZは、なぜ作られたのか 旧車のビジネスモデルに変化到来:高根英幸 「クルマのミライ」(5/5 ページ)
東京オートサロンは、カートレンドを象徴するイベントへと成長した。2026年もメーカーなどが趣向を凝らした展示を展開する中、異彩を放ったのは銀色に輝く日産フェアレディZ。異業種コラボによるアルミボディの製作は、どのように進められたのか。
重要性が高まり、さらに成長するイベントへ
タイヤメーカーでは、ダンロップがカスタムカーの祭典にもかかわらず、オールシーズンタイヤの「シンクロウェザー」だけを展示していたのに驚かされた。同社イチオシの商品だが、豊富なサイズ設定でカスタムカーや高性能モデルのタイヤとしても通用するという自信の表れだと感じた。
ダンロップのブースはローダウンしたレクサスISにもオールシーズンタイヤのシンクロウェザーを履かせて展示。実際にシンクロウェザーを利用したオーナーの声をパネル展示するなど、リアルな使用感を伝えていた(筆者撮影)
一方、ブリヂストンはスポーツラジアルブランド、ポテンザの歴史を振り返るブースを展開。歴代のポテンザRE-71シリーズ各製品を並べ、最新のRE-71RZを、RE-71が初のポルシェ認証タイヤとなった時のクルマ、ポルシェ959に履かせて展示した。
ケータハムのブースでは、市販予定モデルとしてプロジェクトVと、それに載るヤマハ製のeアクスル(まだモックアップで内部の仕様も未定のようだ)も公開されていた。また、フォルクスワーゲンのブースでは、コンパクトEVのID.GTIコンセプトを展示。ジャパンモビリティショーでは見られなかったモデルが次々と登場し、自動車メーカーにおける東京オートサロンの重要性を数えきれないほど実感した。
そして、昨年よりも5%多い27万人超えの来場者を記録した。これほどの人気であれば、祝日だった月曜日も開催したり、展示ブースを屋外スペースへ拡張したりと、さらに規模を拡大しても良さそうだ。それをしないのは、運営費との兼ね合いよりも、プレミアム感を高めるためだろう。
東京オートサロンというイベントは、海外展開したり、ジャパンモビリティショーにも一部展示ブースを設けたりして、ブランドとして認知されてきた。今後もまだまだ伸び代がありそうだ。
筆者プロフィール:高根英幸
芝浦工業大学機械工学部卒。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。これまで自動車雑誌数誌でメインライターを務め、テスターとして公道やサーキットでの試乗、レース参戦を経験。現在は日経Automotive、モーターファンイラストレーテッド、クラシックミニマガジンなど自動車雑誌のほか、Web媒体ではベストカーWeb、日経X TECH、ITmedia ビジネスオンライン、ビジネス+IT、MONOist、Responseなどに寄稿中。著書に「エコカー技術の最前線」(SBクリエイティブ社刊)、「メカニズム基礎講座パワートレーン編」(日経BP社刊)などがある。近著は「きちんと知りたい! 電気自動車用パワーユニットの必須知識」(日刊工業新聞社刊)、「ロードバイクの素材と構造の進化」(グランプリ出版刊)。
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