「日本で受け入れられないのでは……」から特設ストアに1万人 “超普通”だったキャラが熱狂を生んでいるワケ(1/2 ページ)
“圧の強い”ユニークなキャラクターで知られる語学学習アプリ「Duolingo」。日本の責任者に同社のIP戦略について聞いた。
「もうすぐレッスンするよね? ね?」「記録がゼロになってもいいの?!」「忘れちゃった……?」――そんな“圧が強い”独特の言動で人気を集めている存在がある。語学学習アプリ「Duolingo」(デュオリンゴ)のキャラクターだ。
レッスンをさぼったユーザーには容赦なく圧をかけ、時には情緒不安定にもなる。ファンの間で“緑のフクロウ”と呼ばれる「デュオ」をはじめとする尖ったキャラたちが人気を集め、2025年12月に東京都渋谷区でオープンした特設ストア「DUOMART」には13日間で約1万人が来場。整理券を配布するほどの盛況となり、多くのグッズが完売した。
ここまで尖った性格は、企業公式キャラクターとしては珍しい。しかし、今のデュオたちの振る舞いは、数年前の“キャラ変”のたまものでもある。例えば2021年の公式SNS投稿はこんな感じだ。
「みんなが今日も楽しく過ごせますように! ぼくたちが応援してるよ〜」
デュオリンゴのキャラクターに何があったのか。そこを読み解くと、企業SNSのキャラクター運用にかける戦略が見えてきた。
「かわいい」から「尖っている」へ――キャラクター性再定義のワケ
「日本のSNSでは当初、デュオをはじめとするキャラクターは『かわいらしさ』や『ポジティブに応援してくれる』といった要素を前面に出していました」
そう話すのは、日本のカントリーマネージャーを務める水谷翔氏。
同社のキャラクターは世界共通の存在であり、グローバルのSNSでは以前から、圧の強い、いわば「ぶっ飛んでいる」ような性格でキャラクターを運用していた。しかし、「日本では受け入れられないのでは」という懸念があり、独自のキャラクター性を定めていたという。
しかし2023年、日本でTikTokアカウントの運用を開始するに当たり、「性格」や「振る舞い方」を見直し、キャラクター性を再定義した。
「TikTokには大量の動画が溢れていて、エッジが効いたキャラクター性でないと運用は難しいと考えました。綿密なリサーチを重ね、グローバルに寄せた性格でも受け入れられると判断して、現在の尖ったキャラクター性を出すようになりました」と水谷氏は説明する。
結果、この変更が受け入れられ、日本でもSNS上でキャラクター人気が加速していったという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
学習アプリなのに「ネタ全開」……万バズ連発の「デュオリンゴ」、マーケ戦略の裏側
X(旧:Twitter)などでたびたび注目を集めている「緑のフクロウ」を見かけたことがあるだろうか? 学習アプリなのにネタ全開の、同社のSNS運用戦略に迫る。
サンリオ株価、まさかの「ほぼ半値」に……なぜ? ジャパンIPに降りかかった災難の正体
今もなお業績を伸ばしているはずのサンリオ株が、前年の最高値から半値近い水準まで売り込まれている。これはなぜだろうか。決算資料や各地の市場動向を詳細に読み解けば、株式市場の評価とは乖離した実態が浮き彫りになる。
今や15年目の「まどマギ」、どう盛り上げているのか? 古参も新規も取り込む“入口の多層化”戦略を考察
「まどマギブーム」が今、再び勢いを増している。いかに力のあるコンテンツでも、公開から時間が経ったところから再び「熱」を取り戻すのは容易ではない。多層化したプロモーション戦略を考察する。
KADOKAWAメディアミックス戦略の舞台裏 異例だった「出版社の上場」から得たものは?
メディアミックス戦略の開拓者といえるのが、KADOKAWA元副社長の井上伸一郎氏だ。井上氏は編集者やプロデューサーの立場として、クリエイターの才能をいかにビジネスにつなげるかを仕事にしてきた。当時は異例とされていた上場の体験は、現在の挑戦にどう生きているのか。
たまごっちヒットを支える「3つの理由」 30年たっても終わらないワケ
1996年に発売され、社会現象を巻き起こした携帯型育成玩具「たまごっち」。今、第4次ブームのまっただ中だ。なぜ、たまごっちは長年愛される続けるのか。取材したところ……。
