資生堂「3万円の美の検診」に予約殺到 若者にササった“マニアック13測定”の中身(4/4 ページ)
資生堂の新サービス「美の検診」(3万円)が予約争奪戦となっている。110年に及ぶ研究をベースに「肌・身体・心の測定」を行うというが、どんな内容なのか。現地を訪れ検診の一部を体験しつつ、「予約殺到の理由」を取材した。
“予約争奪戦”になったワケ
美の検診は、資生堂の研究データを結集させた最先端の内容だ。とはいえ、3万円は決して安くない。それでも予約が殺到しているのは、なぜなのか。
「予約が急増したきっかけは、体験した方がSNSやnoteで綿密なレポートをあげてくださったことです。モノを売らないスタンスのサービスで、自分自身を深く知ることができる。しかも、楽しみながら受けられる体験は、他にないからではないかと分析しています」
筆者が同サービスを知ったきっかけも、2025年12月のXのポストだった。美容好きだというアカウント主は、「めっちゃすごい」と総評しつつ、長文かつ熱量が伝わるレポートを投稿していた。
同投稿には1.1万の「いいね」が付き、インプレッション数は199万回にのぼっている(2026年2月時点)。こうした感想を目にして、「評判もいいし、私も行ってみたい」と考える人が増え、予約枠が埋まっていったというわけだ。
主な顧客層は20〜30代で、女性が約8割を占める。最近は、若い男性同士のペアや夫婦で来店する人も増えている。来店目的は「自分の強み・弱みを正確に把握して、プロのアドバイスによって生活習慣や美容をより良く変えたい」、あるいは「体験そのものをエンターテインメントとして楽しみたい」というものだ。
「当初は数百人待ちだったのですが、現在は数千人待ちになっています。予約は2カ月前から開始していて、開始すると約30分で全枠が売り切れます。当社からの発信はプレスリリースや公式SNSのみで、マーケティングコストをかけずに、ここまでの反響になっていることに驚いています」
同サービスの最大の狙いは、「顧客のフィードバックや取得データを研究開発に還元すること」だという。人件費や事業継続性を考慮して3万円と高額になっているが、同事業単体での利益は追求しておらず、あくまで研究活動の一つとなる。
「健康診断と同じように、毎年受けていただきたいと思っています。現在、体験者のフィードバックを生かして改善を検討中です」と中西氏は、締めくくった。予約の取りづらさは課題ではあるが、「予約困難だからこそ、なおさら行ってみたい」と興味や関心がかき立てられるのかもしれない。
著者プロフィール:小林香織
1981年生まれ。フリーランスライター・PRとして、「ビジネストレンド」「国内外のイノベーション」「海外文化」を追う。一般社団法人 日本デジタルライターズ協会会員。エンタメ業界で約10年の勤務後、自由なライフスタイルに憧れ、2016年にOLからフリーライターへ転身。その後、東南アジアへの短期移住や2020年〜約2年間の北欧移住(デンマーク・フィンランド)を経験。現地でもイノベーション、文化、教育を取材・執筆する。2022年3月〜は東京拠点。
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