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こたつ市場が縮む中で、なぜひのきだったのか? 創業112年の“26.5センチ四方”の挑戦(2/4 ページ)

こたつ市場が縮小する中、創業112年の老舗が挑んだのは、伊勢神宮ゆかりの東濃ひのきを使った26.5センチ四方の小型こたつ。香りや素材感で「暮らしの質」を提案する新戦略とは。

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なぜ「東濃ひのき」だったのか

 メトロ電気工業は1913年創業の老舗メーカーで、こたつ用ヒーターの国内シェアは約8割を占める。大手量販店で販売されるこたつの多くに、同社製のヒーターが採用されている。

 しかし、住宅の断熱性向上やエアコンの普及により、暖房手段は多様化した。その結果、「暖を取るだけ」であればこたつを選ぶ必要がなくなり、市場は縮小傾向にある。

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伝統技法「升組み」を採用

 こうした中、同社は「モノから、コト・トキへの価値転換」を掲げ、素材や香りを通じて暮らしの質を高める製品の開発に注力。2009年からは「1人用こたつ」を販売し、近年はパーソナル志向の高まりを背景に販売数も伸びている。こうした手応えも、檜の香の開発を後押しした。

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10分後には体全体があたたまる

 素材に東濃ひのきを選んだ理由は、品質の安定性に加え、同じ東海地方内でサプライチェーンを完結できる点にある。輸送エネルギーを抑えられるほか、地域の林業振興にもつながる。担当者は「国産木材を取り入れることで、地域連携やカーボンニュートラルへの貢献にもつなげたい」と説明する。

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同じ東海地方内でサプライチェーンを完結

 構想から商品化までには、約1年を要した。最大の課題は、天然の無垢材が熱によって変形することだった。暖房器具として安全性を保ちつつ、木の質感を生かす必要があるため、100度の環境下で1カ月間の耐久試験を実施し、反りを約0.2ミリに抑制できることを確認。構造設計と加工精度の調整に、最も時間をかけた。

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