「ブランケットじゃ足りない」を突破せよ 電車の座席みたいに温かいヒーターが生まれた理由:あったかグッズ(1/4 ページ)
電気代高騰を背景に、部屋全体ではなく“自分だけ”を温めるパーソナル暖房が伸びている。サンコーは「着るこたつ」「足首ヒーター」「折りたたみ足湯」などを拡充し、省エネ性と使い勝手を武器に新たな冬家電市場を開拓している。
電気代の高騰が続く中、「パーソナル暖房」が注目を集めている。家電メーカーのサンコー(東京都千代田区)は、昨年話題となった「まるで電車の座席ヒーター」のほか、足首を温める「くるぽっか」や折りたたみ式フットバス「あし〜ゆ2」など、パーソナル暖房グッズのラインアップを広げている。
2024年10月に発売した「まるで電車の座席ヒーター」は、座布団のような本体部分に、ふくらはぎを温めるヒーターを一体化させた暖房器具だ。太ももとふくらはぎに計4カ所のヒーターを搭載し、下半身全体を温める。
3段階(強46度、中44度、弱42度)の温度調整が可能で、右側には、モバイルバッテリーを入れるポケットが付いている。
価格は6980円。カラーはレッド、グレーに加えて、今回からグリーンを追加した3色で展開している。サイズは本体部分が45(幅)×11(高さ)×53(奥行)センチで、ふくらはぎに当たる部分は、42(縦)×32(横)センチ。
開発のきっかけは、社内で挙がった「ブランケットだけでは温まらない。ふくらはぎまで温かいものを作りたい」という声だった。ふくらはぎにヒーターがしっかり触れるよう、反発力のある板を骨組みに使うなどして構造を工夫した。
試作品を体験した社員が「まるで冬の電車のヒーターみたいな温かさ」と発言したことから、商品名が決まった。「分かりやすくインパクトのある名前も注目いただいている理由の一つ」と同社広報担当者は語る。
昨年はテレビやSNSで話題となり、11月末には完売。今年は生産数を増やし、卸販売など販路も拡大して販売している。シリーズ累計で5300台、うち2025年モデルだけで4000台を売り上げている。
購入者からは「ふくらはぎの裏まで温かい」という声が多く、職場やオフィスチェアでの利用が目立つという。今シーズンは、5500台の販売を目指す。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
ワークマン「着るコタツ」60万点突破 還暦祝いにもしっかり選ばれる冬物ヒットの理由
ワークマンの冬物衣料が好調だ。電熱ヒーター内蔵「ヒーターウエア」や断熱素材「X-Shelter」シリーズ、室内履きまで多彩な商品で寒暖差や異常気象に対応。幅広い世代や用途で支持されている。
ワークマンの「着る“断熱材”ベスト」完売、人気の理由を聞いた
ワークマンは、プロ向け秋冬アイテムの発売を順次開始、そのうち「立ち仕事」「屋外作業」向きのアイテム3点を発表した。
“ヤンキー特化型”ドンキが大阪に上陸 ボンタン完売の店内はドキドキか、ギラギラか
大阪府貝塚市に「ギラギラドンキ」が登場して、半年がたった。その名の通り、店内はギラギラしているわけだが、新たなコンセプトの店を運営して、どういったことが分かってきたのか。ターゲットのお客は……。
炎の“ゆらぎ”をデザインした! イワタニのカセットガス式「暖炉」が面白い
カセットこんろなどを手掛ける岩谷産業が、ちょっとユニークな製品を開発した。「暖炉」である。カセットガスを使った暖炉は、どのような特徴があるのかというと……。
女性にドン引きされる「パーカーおじさん会社員」が増えた、ちょっと意外な背景
「職場のパーカーおじさん」はセーフかアウトか――。そんな議論が話題になっているが、なぜパーカーを着ている会社員が増えたのだろうか。その理由は……。
ガチャ「赤の他人の証明写真」が月4万個のヒット なぜ“スターおじさん”まで誕生したのか
「知らないおじさん」の証明写真が入ったカプセルトイ「赤の他人の証明写真」。ガチャで月4万個も売れる理由を、商品開発の経緯や若者の遊び方を交えながら紹介する。




