サーモンは偶然のヒットではなかった? 養殖の経済合理性:寿司ビジネス(2/3 ページ)
世界で定番となったサーモン寿司。その人気の背景には味や見た目だけでなく、養殖による安定供給や加工のしやすさなど、寿司ビジネスに適した生産構造があった。国産養殖の取り組みも広がり、今後も欠かせない存在であり続ける。
こうした生産方法は、寿司ビジネスと非常に相性が良いものです。養殖であれば、同じ規格、同じ品質の魚を、計画的に大量に生産できます。凍結・解凍しても劣化が少なく、加工しやすいため、流通や店舗オペレーションの面でも扱いやすい魚です。
また、脂があり、香りもよく、味が分かりやすいことから、国や文化を問わず受け入れられやすいという特性もあります。
生産面から見ると、サーモンは「寿司ネタとして使われるようになった魚」というより、「寿司ビジネスに適した条件を備えていた魚」と言ったほうが正確かもしれません。安定供給ができ、品質をそろえやすく、消費者にも受け入れられやすい。こうした要素が重なった結果、サーモンは世界中の寿司店で欠かせない存在となったのです。
近年では、サーモンは日本国内でも養殖が進められています。
例えば、三陸沿岸では、冷涼な海域を生かしたサーモンの養殖が行われています。また、新潟県佐渡島では、地域資源を活用したブランドサーモンの取り組みが進められており、観光や地産地消と結びついた展開も見られます。
さらに、山陰地方の境港周辺でも、サーモン養殖への挑戦が始まっています。なお、これらの地域で「〇〇サーモン」として展開されている品種は、スーパーの魚売り場で塩焼き用としてもよく見かける「銀鮭」を用いていることも多くなっています。
加えて、日本では海面養殖だけでなく、陸上養殖によるサーモン生産も注目されています。
例えば、FRDジャパンは、閉鎖循環式の陸上養殖技術を用いて、サーモンの安定生産に取り組んでいます。陸上養殖は、天候や海況の影響を受けにくく、病気リスクも管理しやすいという特徴があります。
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