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生成AI活用、セキュリティ対策──優秀なIT人材を採用したい企業が知っておくべき考え方(1/4 ページ)

2025年のITエンジニア採用市場を振り返ると、人材不足は依然として解消されておらず、多くの企業が採用目標を達成できない状況が続いています。これからのIT人材の採用において重要なことは、企業が候補者に対し、自社の考え方や期待する役割をどこまで具体的に示せているかです。今回は、企業の採用現場が意識すべき考え方について紹介します。

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著者:芦野成則

レバテック株式会社 リクルーティングアドバイザー

一橋大学を卒業後、官公庁に5年半勤務し、2019年にレバレジーズに中途入社。企業の採用支援を行うリクルーティングアドバイザーとして、多角的な視点から採用支援を実施

 2025年のITエンジニア採用市場を振り返ると、人材不足は依然として解消されておらず、多くの企業が採用目標を達成できない状況が続いています。

 働き方の多様化や生成AIの急速な普及、サイバー攻撃の増加など、ITを取り巻く環境は目まぐるしく変化しています。採用競争が激化する中で、企業の方針や求める役割を十分に説明しないまま採用活動を進めると、母集団形成や選考プロセスが停滞し、入社後のミスマッチにもつながりやすくなります。

 これからのIT人材の採用において重要なことは、企業が候補者に対し、自社の考え方や期待する役割をどこまで具体的に示せているかです。今回は「出社回帰」「生成AI活用」「セキュリティ人材の採用」という3つのテーマで、企業の採用現場が意識すべき考え方について紹介します。


これからのIT人材の採用において重要なこととは? (提供:ゲッティイメージズ)

「出社回帰」が加速したことで、課題も顕在化

 2025年は「出社回帰」という言葉が広く使われました。実際に、レバテックが採用担当者・経営者534人を対象に実施した調査では、コロナ禍と比べてITエンジニアの出社頻度を「増加させた」と答えた割合は約4割に上りました。


レバテックが2025年8月に発表した「リモートワーク調査」では、出社回帰の傾向が明らかになった(同社提供)

 出社頻度を増やした理由は「コミュニケーションが希薄になった」(46.6%)、「新人教育がしにくい」(34.2%)、「従業員の生産性が全体的に低下した」(32.1%)など、企業によってさまざまです。

 コロナ禍を通じて、多くの企業がフルリモートを前提とした採用を進めてきましたが、評価や育成、コミュニケーション、セキュリティ対策などの運用面は、社内で十分に共通認識が共有されないまま拡大してしまった側面もあります。

 その結果「どこまでリモートが許容されるのか」「会社として出社をどの程度期待しているのか」といった前提が、候補者・現場・人事の間で共有されないまま、採用や入社後のミスマッチとして表面化するケースが増えていきました。

 2025年に見られた出社回帰の動きは、こうした状況を受け、企業ごとに働き方の方針を整理し直し、その考え方を明確に示そうとするものとして捉えられます。

 実際、求人票の書き方は明らかに変わっています。リモート可・不可といった二択ではなく「週2〜3日在宅勤務可」「週〇日出社(曜日応相談)」「原則出社だが、育成フェーズや業務内容に応じて在宅可」といったように、出社とリモートのバランスを具体的に示す表現が増えました。

 加えて2025年は、実態としてほぼリモートで働いている企業であっても、求人票上は「ハイブリッド勤務」「出社できる方前提」と表現するケースが目立つようになりました。これは出社日数を増やしたというよりも、非常時における対面対応や、入社初期・重要局面での出社可否を事前にすり合わせ、入社後のミスマッチを防ぐ意図によるものです。

 さらに特徴的だったのは「出社日数」そのものではなく、なぜ出社が必要なのかを説明する文言が増えた点です。対面でのコミュニケーション、若手育成、意思決定のスピード、あるいはセキュリティ上の理由など、企業側の考え方を求人票で補足するケースが増えました。

 一方で、出社方針だけを先に打ち出し、その背景や意図を十分に説明できなかった企業では、応募数の減少や、リモート前提で入社した人材の早期退職といった問題も見られました。近年の転職市場では、「出社方針を明確にできるかどうか」以上に、その理由をどこまで丁寧に説明できているかが、企業選択における重要な判断材料になりつつあります。

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