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中小企業は「消去法」で50代を採用する 早期退職の前に知るべき現実(3/5 ページ)

大企業の早期退職募集の波が広がりを見せている。申し込みシニア社員も多いようだが、中小企業への転職は簡単ではない。構造的なギャップを解説する。

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中小企業は「消去法」で50代を採る

 では、中小企業側は50代を積極的に求めているのか? 残念ながら、これも幻想である。

 企業が本当に欲しいのは、部下の育成ができて、自分でも売り上げも立てられる35歳前後の中堅人材だ。しかし、そうした層は知名度の低い中小企業にはなかなか来ない。

 「30代が取れない。40代も無理、ならば50代で」――こうした消去法の末にたどり着くのがシニア採用の実態である。

 求職者の中には「自分の今まで築き上げた実績を企業側が欲しがっているはず」と考える人も少なくない。

 だが、大企業での実績はあくまで「組織」としての実績だ。中小企業は個人の実務能力をシビアに見る。800万円を払うからにはどれだけ稼げるのか、どれだけ利益に貢献できるのか、という問いに対して明確に答えられなければ、採用には至らない。

大企業での「当たり前」は特権

 大企業出身者がこうした現実を受け入れられない最大の原因は、新卒入社以来30年以上続いてきた環境が「当たり前」になっていることにある。

 東京駅から雨に濡れずにオフィスに入ることができる。地方都市に転勤になったとしても駅直結のビルの最上階に入る。これがどれほど恵まれたことか、大企業の中にいると分からない。そこでは当たり前のことだからだ。

 しかし多くの中小企業は駅から徒歩10分強の雑居ビルにあり、雨の日はずぶ濡れになる。これが中小企業の普通の姿なのだ。

 もちろん、大企業に入るだけの学歴があり、長年努力を重ねてきた人たちが恵まれた環境を得ること自体はおかしくない。

 しかし、有名大学を出て、30数年「選ばれし民」として崇められてきたエリート意識は、転職市場では強烈な足かせとなるので注意が必要だ。

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