なぜ若者が「編み物」にハマるのか カフェでは“編み活”、毛糸売上は2年で6倍(4/5 ページ)
2024年の秋頃から続く「編み物ブーム」。手芸専門店「新宿オカダヤ本店」では、毛糸の売上高が2年で約6倍に。手芸の手作りキットを販売する「フェリシモ」も、売上高が2年で約1.9倍になった。人気の理由を探るべく新宿オカダヤ本店を訪れたところ……。
「手作りキット」が大ヒット
手芸ブランド「クチュリエ」を展開するフェリシモも、編み物ブームを背景に売上高を伸ばしている。同ブランドは2002年に誕生したが、それ以前から「手作りキット」を販売しており25年以上の歴史がある。
同社は「どこよりも分かりやすい説明書」にこだわり、イラスト、写真、動画を使い分けて、初心者が挫折しない工夫に注力している。「定期便」のビジネスモデルを採用しているのも特徴だ。毎月異なるキットを数回にわたって届けることで、達成感を味わいやすくしている。
「クチュリエでは、発足当初から『刺繍』と『編み物』を二大強化ジャンルとして成長させてきました。そんな中、コロナ禍の『巣ごもり需要』で手芸の手作りキットが注目され、2023年頃から『編み物』領域により注力するようになりました」(フェリシモ クチュリエG ブランドマネージャー 小久保愛里氏)
例えば、2023年からはオンラインで顧客同氏をつなげるイベント「編み物フェスタ」を開催。11月3日(手編みの日)から2月10日(ニットの日)の約100日にわたって行い、3年連続で開催する人気イベントになっている。Web上で編み図を配信して、参加者でおそろいの作品を編んだり、Instagramで編み物のライブ配信をしたり、人気作家とのコラボ作品を発売したりするものだ。
「編み物は一人でやるイメージが強いのですが、インスタライブで視聴者と編み物をする時間を共有するなど、お客さま同士をつなげてコミュニティーの形成を目指しています。そうして、『編み物といえばクチュリエ』というブランド認知へつなげたいと考えています」(小久保氏)
また、編み物ブームの火付け役ともいわれるK-POPグループ・LE SSERAFIM(ル セラフィム)の宮脇咲良さんとコラボした編み物ブランド「SAKURA MIYAWAKI × Couturier(サクラミヤワキ・クチュリエ)」も立ち上げた。若年女性をターゲットに、初心者でも編みやすいチャームや小物などのキットを4〜6回の定期便で展開。また、完成品の手編み風ニットキャップやニットビスチェも販売し、いずれも宮脇さんの感性を生かしている。
こうした戦略により、クチュリエの編み物関連商品の売上高が増加。2025年度は、2023年度比で約1.9倍、前年度比で約1.6倍と大きく伸びている。中でも売れているのが、初心者向けの商品だ。「はじめてさんのきほんのき かぎ針モチーフ編み」は、2023年度比で新規顧客数が約11倍に増えたという。
「編み物市場の裾野が徐々に広がっていると感じています。コロナ禍以前、クチュリエ購入者の平均年齢は50代前半でしたが、現在は20〜30代の割合が増えています」(クチュリエG 企画開発マネージャー 植田るり子氏)
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