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【4月1日から】「130万円の壁」実質引き上げへ 間違いやすいポイントと企業がすべき3つの準備 社労士が解説(2/3 ページ)

厚生労働省は4月1日から、130万円の壁の要件を緩和すると発表しました。改正の詳しい内容、企業や労働者がどんな影響を受けるのかを社会保険労務士が解説します。

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パートやアルバイトの全員が対象、となるわけではない

 企業側にとっても労働者側にとってもメリットがある今回の改正ですが、対象となるのは常時雇用する労働者が51人以下の企業で働くパートやアルバイトです。なぜなら、51人以上の企業(以下、社会保険の特定適用事業所)で働くパートやアルバイトには、130万円とは別の社会保険に加入する「106万円の壁」と言われる要件があるからです。

 次の要件を全て満たす場合は、社会保険に加入しなければならないとされています。

(1)週の所定労働時間が20時間以上

(2)月額賃金が8万8000円以上(年収換算で約106万円以上。残業代・通勤手当・賞与は含まない)

(3)2カ月を超える雇用期間が見込まれる

(4)学生ではない(休学中や夜間学生は除く)

 4月1日以降は「残業代を含めなければ130万円を超えても、社会保険に加入しなくていい」という言説がSNS上で散見されます。ですが、当てはまらないケースもあるため、留意しましょう。

 なお(2)の要件は最低賃金の上昇に伴い、廃止される予定です。東京都の最低賃金は1226円ですが、週20時間以上働くと必然的に8.8万を超えるからです。

社会保険に加入するメリットがある人・ない人

 社会保険に加入すると、毎月支給される給与から厚生年金保険料と健康保険料が控除されるため、手取り額は減少します。社会保険の特定適用事業所に勤務する人からすると「不公平だ」と感じるかもしれませんが、常時雇用される労働者が51人未満の企業に勤める人が配偶者の扶養から外れるのと状況が異なります。

 社会保険の特定適用事業所に勤務する人が厚生年金保険と健康保険に加入するのに対して、常時雇用される労働者が51人以下の企業に勤めるパートやアルバイトの人が配偶者の扶養から外れる場合は、国民年金と国民健康保険に加入することになるからです。

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常時雇用される労働者が51人以下の企業に勤めるパートやアルバイトの人が配偶者の扶養から外れる場合は、国民年金と国民健康保険に加入することになる(提供:ゲッティイメージズ)

 厚生年金保険は国民年金に上乗せされる2階部分に相当する制度で、国民年金にしか加入していない人に比べ、将来支給される年金額は増えます。また、健康保険により、出産前後の働かない期間に支給される出産手当金や、働けなくなったときに支給される傷病手当金などの制度を利用できるようになります。手取り額は減るものの保障は手厚くなるというメリットがあるのです。

 国民年金と国民健康保険にはこうした制度がないので、扶養から外れると手取り額だけが減ることになります。なお、社会保険の特定適用事業所以外の企業で働いているパートやアルバイトでも、正社員の労働時間の4分の3以上、つまり週30時間以上働く場合は社会保険に加入できます。

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