「ポラロイド」はまだ生きている 日本市場に“ピント”のワケ(3/5 ページ)
インスタントカメラのパイオニア「Polaroid(ポラロイド)」が日本展開を強化している。2024年以降、製品の発売やプロモーションを進め、一定の成果をあげているというが、競合のチェキとどんな差別化を図っているのか。来日したダン・ドッサCEOに聞いたところ……。
世界の写真家も使うポラロイドの強み
現在、ポラロイドでは、重さ239グラムで世界最小サイズの「Go 第2世代」や、アプリに接続してカメラ本体に収まりきらない多彩な撮影モードを使える「Now+ 第3世代」、絞りやシャッタースピード、露出を変更できるマニュアル機能を備えた最上位モデル「I-2」など、幅広いターゲットに向けた製品を展開している。
最上位モデルの「I-2」は、日本の光学エンジニアと協力して設計された同社史上、最も鮮明なレンズを採用している。10万円を超える高額製品だが、2024年4月に国内で実施したクラウドファンディングでは、1200万円以上の支援を集めた。
「当社の製品は、カメラとフィルムの2つが組み合わさることで最高品質が生まれます。完璧なデジタル画像に近いものを目指すのではなく、高い表現力によって、“今この瞬間”を切り取ることを大事にしています。お客さまからも『瞬間の感情を捉えるカメラ』だと評価をいただくことが多いですね」
現在、ポラロイドは世界各国で事業を展開している。売り上げは、米国、欧州、アジアの3つの主要市場でほぼ均等だが、特に欧州が大きいため、それ以外のエリアを強化していく方針だ。
主な利用者は、一定の年齢を重ねた写真愛好家やアーティストで、ポラロイド独自の美学やクラフト性、インスタントカメラのパイオニアであるブランド力を評価しているという。一方で、若年層の利用者も増えている。デジタル中心の生活から少し距離を置き、よりリアルで創造的な体験を求めてポラロイドを選んでいるそうだ。
同社はアナログ体験を重視するが、「“アンチデジタル”の考えは持っていない」とドッサ氏。「アナログな体験を通じて、急速に進化するデジタルとのバランスを提供することを事業の目的としている」と強調した。
80年以上の歴史を持つポラロイドが、日本市場に注力しているのは、どんな狙いからなのか。この質問に、ドッサ氏は一層熱を込めてこう答えた。
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