インタビュー
市場わずか10%の「すっぱい梅干し」で勝負 創業2年で黒字化した梅農家が、AIで挑む農業改革(1/4 ページ)
流通する梅干しの9割は甘い調味梅干し。残る10%の「すっぱい梅干し」に、和歌山の梅農家発ブランドが挑む。300店舗以上に拡大した同社が次に見据えるのは、AI選別機の自社開発と産地の未来だ。
梅干し市場の9割は、甘く味付けされた調味梅干しが占める。残りわずか10%の「すっぱい梅干し」に特化し、創業2年目で単年度黒字化を果たしたブランドがある。
和歌山県のうめひかり(和歌山県みなべ町)が展開する「梅ボーイズ」だ。原材料は塩としそと梅だけ。自転車での飛び込み営業から始まり、現在は全国300店舗以上と取引する(2月時点)。
うめひかり代表の山本将志郎氏は、和歌山県の梅農家の家に生まれた。北海道大学の薬学部でがんの研究を専攻していたが、中退して起業の道を選んでいる。きっかけは、実家の梅農家を継いだ兄の姿だった。
梅農家は梅を育てても、問屋を通じてメーカーに出荷するのが一般的で、自分たちの梅がどの商品に使われているかも分からない。品質にこだわったとしても、スーパーに並ぶときには、多くが甘みなどを加えた調味梅干しになってしまうという。「それなら、梅農家が自分たちで梅干しブランドを作ればいい」――山本氏はそう考えた。
梅農家でありながら梅干しメーカーでもある。そんな独自のモデルで顧客基盤を築いた同社は今、その先のフェーズに踏み出そうとしている。AIを活用した選別機の自社開発や栽培のデータ化など、テクノロジーを武器にした農業改革だ。たった10%の市場を切り開いてきた梅農家発のブランドの歩みと、現在のテクノロジー活用を取材した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
なか卯の「床に置かれた食器」問題 企業の沈黙が呼ぶ“将来の波紋”
10月下旬、なか卯での「床に置かれた食器」の写真がSNSで拡散された。その後のなか卯の対応が適切だったようには感じない。では、どのような対応が求められるのか?
倒産寸前なのに年収100万円アップ 売上38億円のV字回復を実現した、山梨のプリント企業の「決断と狙い」
Tシャツなどのオリジナルプリントグッズの製作を展開するフォーカスは2020年のコロナ禍、倒産の危機に陥った。しかし現在はV字回復を果たし、売り上げは約38億円に上る。この5年間、どのような戦いがあったのか?
SNSでオモチャ化する「謝罪会見」 プルデンシャルは何を読み違えたのか
近年、謝罪会見がSNSでオモチャにされている様子をよく目にする。1月23日に実施された、プルデンシャルの謝罪会見も例外ではない。同社は何を読み間違え、SNSでオモチャとして扱われてしまったのか。
「落とし物DX」で売上15億円 競合だったJR東日本も導入した「find」はどんなサービスなのか
落とし物は誰にとっても身近なトラブルだが、その回収はアナログで非効率なままだった。そんな市場を15億円規模に成長させた「find」とはどんなサービスなのかというと……。
ローソンの車中泊は、単なる「場所貸し」ではない 見落とされがちな体験価値とは
ローソンが実施している「車中泊」サービス、これは単なる「空いている場所を貸す」というビジネスにはとどまらない価値がある。利用者はどのような「価値」を見いだしているのか。

