2015年7月27日以前の記事
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やっぱり売れたジムニーノマド 4ドア化でも“本格オフローダー”が支持された理由高根英幸 「クルマのミライ」(2/5 ページ)

ジムニーノマドが爆発的な人気を維持している。ノマドは4ドア化しただけでなく、快適性や使い勝手も高めており、より幅広い層の需要を取り込んだ。ジムニーは「楽しいクルマ」のニーズに応えるブランドとして、ますます強みを発揮していくだろう。

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ジムニーを生み出した、幻の軽自動車メーカー

 他の国産クロスカントリーモデル(トヨタ・ランドクルーザー/三菱ジープ/日産サファリ)が米国の軍用車であったジープを模倣したものがルーツとなっているのに対し、ジムニーは、軽自動車ならではの小型軽量を生かし、独自に開発された。

 そもそもジムニーはスズキが開発したのではなく、ホープ自動車という軽自動車メーカーが作り上げたものだ。高度成長期の日本では軽自動車メーカーが乱立。差別化を図るため、ホープ自動車はジープタイプの軽自動車「ホープスターON型4WD」を1967年に開発する。

 これは単なる軽自動車規格の4WD車にとどまらない、本格的な悪路走破性を備えたクルマだった。だが、ホープ自動車には量産化する体力がなく、製造権を他社に売り渡すことになった。

 このクルマに対して、他の自動車メーカーは興味を示さなかったが、スズキの前会長である故・鈴木修氏が、周囲の反対を押し切って製造権を買い取り、量産化を進めた。そして、1970年にジムニーを発売したのだ。


初代ジムニーは1970年に発売。当初はドアも幌(ほろ)だけで、フロントウインドーは前方に倒せるなど、完全にオープン型のジープスタイルだった。72年にはメタルトップが登場している(写真:スズキ)

 ジムニーは、現行モデルのスクエアなシルエットにゴツゴツしたディテール、丸いヘッドライトを組み合わせたスタイリングが、アウトドアブームの影響もあって大ヒット。2018年以来、バックオーダー(在庫がない商品の注文を受け付けること)を抱え続けるほどの高い人気を維持している。

 それでもジムニーで本格的にオフロード走行を楽しんでいるのは、ユーザーの1割にも満たないだろう。キャンプなどのアウトドアで未舗装路を走るユーザーは多いだろうが、その程度の走破性なら生活四駆(一般的な乗用車の4WD仕様など)と呼ばれるクルマでも十分だ。

 しかしジムニーは、いざとなれば険しい岩場や大きな傾斜も走破できるリアルオフローダーだ。これを乗り回すことで非日常的な満足感を得ているユーザーも多いのだ。

 そのため、ジムニーシエラ/ノマドはアフターマーケット(カスタムやアクセサリーパーツなど、車両販売によって生じる二次的な市場)でも需要が高く、フロントグリルやホイール、外装のアクセサリーなども豊富に用意されている。

 SUVやブランドのヒエラルキーにとらわれない、独特の世界観がジムニー人気を支えているのだ。

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