富士山4000円入山料の成功に学ぶ 観光地の「値上げ戦略」とマネタイズ術:観光ビジネス(2/3 ページ)
富士山入山料4000円の成功は、値上げによる観光マネタイズの好例。客数をほぼ減らさず安全や環境対策資金を確保し、観光地が稼げる仕組みを作る重要性を示した事例を解説する。
観光ビジネスをしていて、本当に痛感するのは、皆さん本当に「値上げが嫌いなんだなあ」という感想です。無理もないのですが、30年もデフレが続いてしまったので、本当に値上げをするという行為をしたことがなく、臆病になってしまっているのです。
「こんなに費用をいただいたら申し訳ない」とか「(別の要因で客数が減っても)価格のせいだ。値段を下げよう」という思考にすぐに陥ってしまうのです。
それを強制的に修正したのが、近年のコストプッシュ型のインフレだったのです。さすがにコストが上がり過ぎて、今までの値段では持たない。値上げするしかない。
そうやって、崖から飛び降りんばかりの勢いで値上げした結果、何が起きたか? 客数がほぼ変わらなかったのです。今までのビビりは何だったの? というくらいに。
ですから、冗談交じりに値上げ戦略で一番大事な点で私が挙げるのは「経営者の覚悟」とお伝えしています。結局、そこがないとすぐに値下げに逃げてしまうのです。
そして、各地で頼もしい事例が多数出ています。もっともエポックメイキングだったのが富士山の入山料が4000円になったという事例だと思います。
2025年の登山シーズンで富士山の入山料が4000円になるということで話題になりました。富士山クラスの山で入山料が4000円というのは世界的に見ても妥当かやや安いくらいなのですが、長らく「自然はタダ」と思っている日本人にとっては「高いな」という印象が先行したのではないでしょうか。
実際、議論も「高い!」「まだこれでも安い!」「富士山を訪れる人が減る!」「いや、今でも多いくらいなので少しくらい制限した方がいい」など、さまざまな意見が飛び交う中でスタートし、シーズンが終わり結果が出ました。
(1)遭難者が大幅に減少!
(2)死者数はなんとゼロに!
(3)登山客も大きく減ることがなく!
(4)入山料の4億円は今後の安全対策や環境保全の原資に入山料を充てる方針!
実に良いことづくめだったのです。
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