喫茶店で見かける「ルーレット式おみくじ器」 売上2倍でも“そのまま”を選ぶ理由(2/4 ページ)
レトロブームを背景に、販売台数をコロナ前の2倍に伸ばした「ルーレット式おみくじ器」。40年以上、仕様も100円料金も変えない理由はどこにあるのか。ハードの制約やコスト、あえて変えない判断に迫る。
リースと販売の2軸で回る
ルーレット式おみくじ器のビジネスモデルは、リースと販売の2軸で成り立つ。リース事業では、岩手県内50店舗・県外約15店舗に、合計約500台を設置・管理している。設置先は定番の喫茶店やスナックに加え、最近はラーメン屋や定食屋も増えている。
料金の回収は4〜6カ月に一度の店舗が多く、1台当たりの回収額は2000〜3000円程度。回収額の30%を設置店に支払うため、店舗側は場所を提供するだけで収入を得られる。
本業の金属加工やおみくじ器の製造も担っているため、営業活動は限られるが、飛び込み営業で新規開拓を行い、年間10〜20件の契約につなげている。
もう一つの柱が本体の販売(くじ59本付きで9900円)だ。ネット経由での購入が9割を超え、2025年の年間出荷は約1000台に達した。コロナ前の約500台から大幅に伸びており、大野氏は「昭和100年にあたる2025年のメディア露出が追い風となった」と分析する。個人がプレゼントや貯金箱代わりに購入するケースも増えたという。
購入者の大半が1年ほどで詰め替え用くじ(50本×2セット、3300円)をリピート購入し、集客力のある店舗からは、3〜6カ月の間隔で注文を受けることもある。本体販売で顧客を獲得し、くじの補充で継続的に収益を上げる。少人数で運営する事業として、手堅い構造といえる。
なお、直営のリース先だけでなく、先代がおみくじ器事業を始めた当初から取引のある業者が全国に存在する。大野氏によると、それぞれ500〜1000台程度を保有しているとみられ、同社も各業者の正確な台数は把握できていないが、想像以上に全国に広がっているようだ。
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