インタビュー
喫茶店で見かける「ルーレット式おみくじ器」 売上2倍でも“そのまま”を選ぶ理由(3/4 ページ)
レトロブームを背景に、販売台数をコロナ前の2倍に伸ばした「ルーレット式おみくじ器」。40年以上、仕様も100円料金も変えない理由はどこにあるのか。ハードの制約やコスト、あえて変えない判断に迫る。
「変えない」理由
ルーレット式おみくじ器は、これまで基本設計を変えていない。占い料を100円に据え置いているのも、経営判断というよりハードウェアの制約といえる。価格を改定すると、硬貨投入口の大きさやコイン識別の仕組みなど、設計を変更する必要がある。小規模メーカーにとって、そのコスト負担は現実的ではない。
金型も発売当時のものを使用している。部品調達が安定するという利点はあるが、金型の劣化も進み、樹脂成形業者から納品された時点で、手直しが必要な部品が増えている。金型を新調すれば解決するが、費用が「かなり高額」になるため、人手をかけて補修しながら使い続けている。
一方、明確に「変えない」と判断した点もある。電子決済やQRコード連動の要望が寄せられることもあるが、硬貨を自分の星座のところに入れてレバーを引くという一連の動作や、アナログさがウリの一つと考え、導入していない。
おみくじの文面についても改訂を検討したが、既存の50種を精査した結果、「今の時代にも十分当てはまっている」として見送った。例えば、大吉には「活気のある運勢です。(略)初めから結果を予測して行動を起こさないのは寂しいことです」などが書かれている。
ハードの制約、コストの壁、価値判断。変えていない部分の性質はそれぞれ異なるが、結果として「40年以上、変わらない製品」を形作っている。
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