IT人材不足の正体は「業務のブラックボックス化」にあり フリーランス活用を阻む“4つの壁”の壊し方(2/3 ページ)
多くの企業がIT人材の確保に苦戦しています。副業人材やフリーランス人材の活用を検討する企業が増加する一方で、現場ではマイナスな声も少なくありません。今回はフリーランス人材活用において企業が直面する「4つの壁」について整理し、その解決策を考察します。
フリーランス人材活用で企業が直面する「4つの壁」
実際に、検討中の企業がフリーランス導入を進める段階になると、いくつかの課題が見えてきます。代表的なものは、大きく4つです。
第1の壁:業務の定義と切り出し
フリーランス活用で最もつまずきやすいのが、業務の定義と切り出しです。
社外に業務を依頼する際には「何を」「いつまでに」「どの水準で」実現することを目指すのかを明確に定義することが重要です。社内であれば暗黙のうちに共有されている前提や過去の経緯も、外部人材にとっては自明ではありません。成果物の範囲、仕様変更時の取り扱い、最終的な判断基準や責任の所在を整理しておかなければ、認識のズレが生じやすくなります。
しかし実際の現場では「どこまでを切り出せば良いのか分からない」「業務プロセスが属人化している」といった声も少なくありません。
フリーランス活用の難しさは、業務を第三者に共有可能な形へと言語化・分解できているかどうかにあります。
日常的に外部リソースを組み合わせているSESやSIer、開発受託企業では、責任の所在や成果物の定義があらかじめ整理されているため、参画に至るまでの意思決定も比較的スムーズに進む傾向が見られます。言い換えれば、この壁は外部活用そのものの難しさというよりも、業務の可視化が十分に進んでいなかったことによって顕在化する課題だといえるでしょう。
第2の壁:フリーランスとの協働体制
フリーランスを受け入れる際の最大の課題の一つが、協働体制の整備です。
現場が多忙な状況では、既存のタスクをこなすだけで精一杯になり、受け入れや情報共有が不十分なまま業務がスタートしてしまうことがあります。その結果、フォローが最小限になり、成果が十分に発揮されないケースも少なくありません。
成果を最大化するには、フリーランスを単なる外部委託先として扱うのではなく、プロジェクトのパートナーとして関わり方を設計することが重要です。必要なセキュリティルールの共有、自由に参加できるキックオフや定例ミーティングの設計、業務に必要な情報やツールへのアクセス整備など、オンボーディングの質がその後の成果を大きく左右します。
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