同一労働同一賃金はこう変わる 企業がまずとるべき対策3選【10月施行】(2/3 ページ)
今年10月1日に、新しい同一労働同一賃金のガイドラインが施行予定です。改正のポイントや、企業がまずは優先してやるべき対応3つを、社会保険労務士が解説します。
同一労働同一賃金のガイドライン 主な変更点は3つ
今回の改正により、変更された内容は下記の通りです。
(1)ガイドラインのさらなる明確化
賞与と退職手当については、職務内容や貢献度が同じであれば、非正規雇用労働者にも支給すべきという考え方が強化されました。定年後再雇用についても不合理な待遇差は認められないことが明記されました。
また、現行のガイドラインには記載がなかった家族手当や住宅手当が対象項目に加えられました。
(2)労働者に対する待遇に関する説明義務の改善
雇入れ時の労働条件明示に「待遇の相違等に関する説明を求めることができる」旨が追加されます。企業側が労働者に対して説明する場合は、資料を活用し、口頭で説明するか、説明事項を全て記載した資料を交付する必要があります。
(3)公平な評価による待遇改善の促進など
短時間・有期雇用労働者の賃金について、職務の内容などを踏まえ公正に評価に基づく決定が望ましいことを明確化しました。また、短時間・有期雇用労働者の処遇改善に関する自社の取り組み状況について、Webサイトで公表するのが望ましいとしました。
ガイドラインに反しても罰則はないが……
同一労働同一賃金のガイドラインは法律ではありません。そのため、求める水準に達していなくても罰金などの罰則が科せられるわけではありません。残業代の未払いや有給休暇の取得を拒否するなど、労働基準法に違反したときと状況は異なります。
しかし、罰則がないからといって、問題を放置するのは危険です。正社員と非正規労働者との不合理な格差が長く続くようであれば、不満や疑問を抱く従業員も増えていくでしょう。訴訟に発展し、損害賠償請求される可能性もあります。裁判になれば、企業イメージの低下は免れません。
裁判まではいかなくても、自社の対応に不満を抱いた従業員が外部に流出する恐れもあります。人材不足が常態化する中、長年勤務して正社員と同様の働きをしていた非正規社員が退職することは、企業にとって痛手です。
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