スーパーは「安さ」ではもう選ばれない 実質賃金マイナス時代、小売りはどう戦うべき?:小売・流通アナリストの視点(2/5 ページ)
実質賃金のマイナスが続いている影響で、これまではディスカウントストアに顧客が流れていたが、その流れも落ち着いた。今顧客が求めているのは、「安さ」ではなくなっている……。
生活必需品を安く売る店舗の代表格は?
食品を中心とした生活必需品を低価格で提供するチェーンとして挙げられるのは、業務スーパー、PPIH(ドン・キホーテ)、トライアルといったディスカウントストアだ。食品も取り扱いながら集客するドラッグストアやフード&ドラッグなども選択肢として挙げられるだろう。
ただ、最近の既存店の売り上げ動向を比べてみると、ディスカウントストアだからといって必ずしも大幅な増収とはなっていないようだ(図表3)。
全日本スーパーマーケット協会のスーパーの業界平均と比較すると、、伸びている企業は多いが、大きな差があるわけではなかった。2025年は、クスリのアオキ、業務スーパー(神戸物産)、ゲンキーなどが、平均を大きく上回って推移していた。しかし、成長を続けている大手フード&ドラッグのコスモス薬品が、既存店ではマイナスとなるなど、ばらつきも見られる。2025年後半以降は、平均に近い数値に収束しつつ、微増ペースに落ち着いている印象だ。
より長期で見ると、さらに分かりやすい。数年前からの物価上昇を受けてディスカウントストアへの駆け込みが起きたが、その後は落ち着いている(図表4)。
2023年頃は、クスリのアオキ、業務スーパー、コスモス薬品、ゲンキーが大きく伸びたが、2024年にはコスモス薬品が微減に転じ、その後は各社とも徐々に落ち着いた。コスモス薬品はこの時期に低価格による集客から脱却し、収益性の再構築を行ったと説明している。
いずれにしても、最近では消費者も物価上昇に慣れ、一時期のように慌ててディスカウントストアに駆け込む動きは、一段落しているようだ。
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