急増する若手のメンタル不調 不幸の連鎖を断つ「心理的安全性」の作り方:労働市場の今とミライ(1/5 ページ)
メンタル不調を訴える人が増加している。中でも20代はメンタル不調により休職。その後は退職しても、働く気力を失う人が多いという深刻な事態に直面している。
メンタルヘルス不調(以下、メンタル不調)を訴える人が増加している。厚生労働省が実施した「患者調査」によると、2002年に68万5000人だったうつ病などの気分障害の外来患者数は、2023年は156万6000人と2.3倍に増加している。
「神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害」も、2002年は49万4000人だったが、2023年は117万2000人とこちらも2倍以上に増え、精神疾患患者数の約半数を占めている。
気分障害の外来患者数について、2002年と2023年を比較した。年代別かつ10万人当たりの外来患者数の割合は、
20代:38.0人→57.5人
30代:69.5人→70.5人
40代:62.5人→93.0人
50代:58.0人→97.5人
と働く現役世代がいずれも増加傾向にあることが分かる。
現役世代のメンタル不調が増加傾向にあることは、主に大企業の社員が加入する健康保険組合連合会(健保連)の調査からも分かる。2025年10月に発表された「令和5年度被保険者のメンタル系疾患の受診動向等に関する調査」によると、躁うつ病含む気分障害による外来受診の男女比は、男性が62.3%(約25万人)を占める。
年齢別で見ると「50〜54歳」が17.2%と最も高く、次いで「45〜49歳」(15.6%)、「55〜59歳」(14.6%)、「40〜44歳」(12.4%)と、40〜50代の中高年層が約6割を占めている。神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害の外来受診でも男性(約21万人)が約6割を占め、そのうち40〜50代が5割以上となった。
では、どのような原因でメンタル不調になるのだろうか。厚生労働省が2025年6月25日に発表した「令和6年度過労死等の労災補償状況」によると、精神障害の原因となった出来事で最も多かったのは「上司とのトラブルがあった」(953件)だった。
以下「上司などからパワーハラスメントを受けた」(389件)、「仕事内容・仕事量の大きな変化を生じさせる出来事があった」(358件)と続く。そのほか「同僚とのトラブルがあった」(217件)や「顧客や取引先、施設利用者などから著しい迷惑行為を受けた」(207件)といった、カスハラが原因でメンタル不調となったケースもある。
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