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その会議室が年間1億円もの無駄なコストを生む? AI時代に欠かせないインフラ刷新の重要性オフィス回帰に潜む損失

生産性向上を掲げた「オフィス回帰」が進む中、会議室不足とハイブリッド会議の品質低下が深刻な課題になっている。特にハイブリッド会議の音の不備は、AI議事録の精度低下や情シスの工数増大を招いて標準的な企業で年間約1億円もの「無駄なコスト」を生んでいるという実態が、IDCとShureの調査で判明した。

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 「オンライン会議システムが起動しない」「音声が相手に届いていない」。多くの情報システム部門(以下、情シス)の担当者が、こうした突発的なトラブルの対応に追われている。オフィス回帰が進む中、現場で起きているのは不十分な会議設備に起因するヘルプデスク業務の増大だ。本来ならば戦略的なIT投資やDX推進に充てるべきリソースが、場当たり的な保守対応に割かれている。

 ハイブリッド会議環境の向上や情シスの業務改善を目的に、情シスが会議室のAVソリューションの刷新を経営層に提案しても「現状の設備で運用できている」と、投資の優先順位を下げられるケースは多い。

 会議を開くたびに繰り返される「接続が悪いので入り直します」「聞こえません」というやりとりで消費されるのは時間だけではない。IDCと音響機器メーカーのShureが共同で実施した調査によると、マイクやカメラといった会議用AVソリューションの不備は、会議室が10室あるような標準的な企業において、年間で約1億円(約71.6万ドル)もの「無駄なコスト」を生んでいることが明らかになった(標準的な企業の定義や無駄なコストの計算方法については後述)。本記事では、同調査の結果から導き出された目に見えない損失の正体と、それらを解消する戦略的投資の在り方を探る。

物理的制約をテクノロジーで解決 「場所」から「品質」への転換

 多くの企業が対面でのコラボレーション効果を期待して従業員をオフィスに呼び戻している。しかし、この施策は従業員のエンゲージメント向上に寄与しておらず、経営層の意図と従業員の意識との乖離(かいり)を招いている。

 IDCとShureが実施した調査によると、日本企業に勤める従業員の91.0%が少なくとも月に1回以上はハイブリッド会議を実施し、70.1%が主要なコミュニケーション手段としてオンライン会議ツールを挙げている。オフィス回帰の動きが活発になる中でも、現実の業務はより複雑化したハイブリッド環境に移行している。

 「出社を促進する一方で、55.2%の企業はオフィスの拡張を計画していません。このギャップが埋まらないままオフィス回帰を進行した結果、インフラの未整備などによる不都合が顕在化し始めています」と、IDC Japanでアナリストを務める石田英次氏は指摘する。

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IDC Japan石田英次氏(シニアリサーチディレクター)

 「場所がない」「設備が不十分で満足できる会議体験を得られない」。こうした物理的な制約がコラボレーションを阻害する壁になっている。実際、同調査でもハイブリッド会議における技術的な課題として「相手の声が聞き取りにくいこと」(29.0%)が最も多く挙がった。音声の不備は単なるストレスではなく、意思決定を遅らせて従業員のエンゲージメントをそぐ「目に見えないコスト」になる。

 本来は、働き方の変化に合わせてオフィスのグランドデザインを設計し直すのが理想だ。しかし、大規模な改修には莫大(ばくだい)なコストがかかる上に、通常は総務部門が中心となって進められるため、情シスが踏み込める領域は限られている。

 そこで情シスが主導すべき現実的な戦略が、会議室をテクノロジーで最適化することだ。「オフィス移転などの大きな投資をする前に、ハードウェアの刷新で解決できることは多いはずです」と石田氏は語る。それを裏付けるのが、IDCが調査結果をまとめたレポートで示す「コラボレーションを実現するテクノロジーのピラミッド」だ。「生産性」を支えるのは「ソフトウェア」だが、その基盤を成すのは「ハードウェア」だ。IDCは「デジタル投資だけでは、ハードウェアへの投資不足を補えない」とまとめている。

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(出典:IDC InfoBrief)《クリックで拡大》

年間約1億円の損失を招く「無駄なコスト」の正体

 ハードウェアの刷新について経営層の理解を得るには、「ハイブリッド会議における音の重要性」という定性的な価値を定量的な指標に変換しなければならない。レポートで提示されているのが無駄なコスト(MW:Money Waster)の算出モデルだ。

 カメラやマイクの接続トラブルで参加者全員が待機する時間は、人件費を無駄にしているのと同義だ。IDCは、標準的な企業(会議室10室、参加者8人の会議を年間1万400回実施。1人当たりの平均時給を考慮)をモデルに、年間で約1億896万円もの損失が発生すると試算している。その内訳は以下の7つの要因に大別される。

1.セットアップと接続の遅延
 マイクの認識不全やケーブル接続の手間で会議冒頭の5分が空転する損失。年間のMWで最大の割合を占める。

2.エンゲージメントと生産性の欠如
 音声の途切れや反響による集中力の低下や意思決定の遅延による人件費の損失。

3.誤情報のAIと自動化がもたらす業務の停滞
 音声品質の低さによってAI議事録の誤変換が生じ、その手直しに工数がかかる損失。

4.統合ギャップと手動プロセス
 予約の再入力や複数のスプレッドシートの手作業による管理工数の増大。

5.ソリューションに対する再研修
 扱いにくいシステムのために、新人研修や手順の再確認を繰り返すことで削られる生産的な時間。

6.ITヘルプデスクへの対応負荷
 「つながらない」といった付加価値が低いトラブル対応にIT要員の工数が奪われるコスト。

7.会議室の空き状況と逼迫(ひっぱく)するキャパシティー
 会議室の不足や予約システムの不備によって場所の確保に時間を費やしたり適した会議室を利用できなかったりすることで生じる損失。

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(出典:将来の変化に対応できるコラボレーション)《クリックで拡大》

 この中で特に見過ごせないのが「誤情報のAIと自動化がもたらす業務の停滞」だ。いくら高度なAIツールを導入しても、その元データになる音声の品質が悪ければAIの精度は低下する。AIも人間と同じで、聞き取れない音は正確に処理できない。AI投資を成功させるための不可欠なインフラとしてAVソリューションを位置付ける論理は、経営層も納得しやすいだろう。

 石田氏は「会議に関する無駄は、参加人数に応じて『n倍』に膨らみます」と強調する。MWを経営層に提示できれば、インフラ整備が「使い勝手」の問題ではなく喫緊の「経営課題」として認識されるようになるはずだ。

【資料公開】無駄なコストの詳細やROIの算出方法を確認する

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将来の変化に対応できるコラボレーション
〜ビデオ会議テクノロジーによるリスク軽減とROI最大化のための指針〜



戦略的ROIを最大化する3つの要素

 投資効果を最大化するためには、単に高価なソリューションを買えばよいというわけではない。レポートでは、投資利益率(ROI)を「テクノロジー」「人」「プロセス」の掛け合わせで定義している。

 テクノロジーは、高品質なソリューションや信頼性の高い接続が求められる。人は従業員の迅速な適応とストレスのない操作能力、プロセスは予約の効率化や分かりやすいワークフローを指す。これらが相乗効果を生むことで、ROIは大幅に向上する。

 石田氏は「安価な機器を導入して表面上のコストを抑えても、人材がトラブル対応に忙殺されれば大きな機会損失になります。情シスが戦略的な業務に注力できる環境をつくることが、企業にとっての真のROIと言えます」と説く。

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(出典:IDC InfoBrief)《クリックで拡大》

全ての会議室に「良い音質」を提供するには

 会議室用AVソリューションの選定において、シュア・ジャパンの下村光生氏は「音の入り口」の重要性を語る。

 「対面会議においては、人はある程度騒がしい環境でも特定の発言者の声に意識をフォーカスできます。しかし、一度マイクで収音された音声となると、ノイズの中から必要な声を判別するのは困難になります」

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シュア・ジャパン 下村光生氏(マーケット・デベロップメント マネージャー)

 だからこそ、Shureは収音の品質にこだわる。ノイズを収音段階で排除する設計思想と、発言者の声だけにスポットを当てる独自のプロセッシング技術を組み合わせて「音の鮮度」を担保する。

 Shureの最新テクノロジーを結集した新しい会議室用AVソリューションが、同社初のオールインワン型ビデオ会議バー「IntelliMix Bar Pro」だ。マイク、スピーカー、カメラを統合し、一つのデバイスで高度な信号処理を完結させた。「IntelliMix Bar Proによって複雑な工事なしにどの会議室でも高品位な音響・映像環境を実現でき、人と人との円滑なコミュニケーションはもとより、AIを駆使した高精度な成果物の生成にも寄与します」と下村氏は語る。

 設置コストを抑えられて情シスのみで設置できるIntelliMix Bar Proは、一つの会議室に導入して投資対効果を検証するPoC(概念実証)の実施にも適している。

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Shure初のオールインワン型ビデオバー「IntelliMix Bar Pro」。実機を見た石田氏は、「スモールスタートで成果を示せる点は、上申を検討する情シスにとって大きなメリットです」と話す
※脚は別売りです。

5週間で投資を回収する、情シスのための新戦略

 IDCの試算によると、適切なソリューションを導入した際のROIは972%に達し、正味ベネフィットは年間約9880万円、投資回収期間はわずか「5週間」とされる。

 「多くの企業が従業員の生産性向上を課題とする中で、会議の質を底上げする効果は大きいはずです。意思決定が早まることの波及効果を過小評価すべきではありません」と石田氏は展望を示す。

 情シスにとって、会議室の刷新は単なる設備の更新ではない。従業員の“ちょっとしたストレス”の背後で浪費される人的コストを取り除き、自らのリソースをより戦略的な業務にシフトさせるための合理的な判断だ。「映像がなくても会議はできますが、音声が途絶えれば成立しません」(下村氏)。この本質的な事実に立ち返るとき、企業が投資すべき優先順位は明らかになるはずだ。

 IDCとShureがまとめたレポートは下記からダウンロードできる。自社の状況に置き換えて経営層を説得する材料の一つとして活用してほしい。

日本におけるコラボレーション 投資対効果を最大化する戦略

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この資料で得られること

  • 最新のコラボレーションツールが職場の混乱を抑えながらROIを向上させてチームの効率を高める方法
  • ハイブリッド環境で成果を出すためのコミュニケーションとAVテクノロジーへの投資を最大化する戦略
  • コラボレーションの進化に関するインサイトと組織に持続的なインパクトをもたらすアプローチ


将来の変化に対応できるコラボレーション
〜ビデオ会議テクノロジーによるリスク軽減とROI最大化のための指針〜

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この資料で得られること

  • コラボレーションの非効率が招く財務的インパクト
  • IDCの調査に基づく運用改善に寄与する実証済みソリューションのインサイト
  • 最高水準のAVソリューションへの投資によって得られる測定可能なROI


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提供:シュア・ジャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2026年5月5日

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