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なぜ“だし”はここまで広がったのか 「飲むだし」に「だしクッキー」「だしペチーノ」まで(2/5 ページ)

「だし」の活用が広がっている。だしや調味料のブランド「茅乃舎」では、だしをそのまま飲む「だしスープ」や、だしを使った「クッキー」が好調だ。なぜ“だし”の人気は高まっているのか。取材で探った。

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じわじわ浸透する「飲むだし汁」

 明治26年(1893年)に「久原醤油」として創業した久原本家グループ。醤油からたれ、スープへと広がり、2006年に顧客の声をもとに、だしシリーズが生まれた。通販で販売を開始し、2010年には東京ミッドタウン店を開店、現在は全国に34店舗(2026年4月時点)を構える。


茅乃舎の東京ミッドタウン店(久原本家グループ提供、以下同)

 そんな同社では、“飲むだし汁”のトレンドが広がる以前の2018年に「だしスープ」(540円、当時の価格)を発売した。お湯に溶かして飲む粉末の小袋タイプとし、「間食やコーヒー代わりに飲んでほしい」と考えたが、狙い通りにはならなかったという。

 「当時、『だし汁を飲む』文化が浸透していなかったため、お客さまが迷われないようにと『飲むだし汁』ではなく、『だしスープ』という名称にしました。しかし、“名称”と“打ち出した飲用シーン”がマッチせず、多くの方が食事に合わせて飲まれていました。この反省を生かしてトライアンドエラーを重ね、2022年にリニューアルを実施。小袋からスティックタイプに変更して、携帯性を高めました」(野口氏)


2026年2月に2度目のリニューアル、「食事に合わせやすい味わい」にした

 しかし、「だし汁を飲む」習慣は広がっても、「食間に飲む」習慣はさほど浸透しなかった。現在も食事中に飲む人のほうが多いという。そこで、2026年2月に実施したリニューアルでは、素材の風味を引き立たせ、食事に合わせて楽しむ味わいにした。パッケージは、ギフトを意識してパウチから箱に変更。味わいは、4種類(和風・洋風・中華風・和風の抹茶、各1080円)を販売している。

 「このリニューアルを通じて利用者層が広がり、着実に売り上げが伸びています。従来の顧客層である50代以上よりも下の世代の方が購入したり、ギフトとして選ばれやすくなったりしています」(野口氏)


昨夏に販売した「冷たいだしスープ」も好評だった

 また、2025年夏に東京駅店と東京ミッドタウン店で販売したテークアウト商品「冷たいだしスープ 和風」(250円)も好評を得た。だし汁は、夏場のミネラルや塩分補給に適しているとして打ち出したところ、女性を中心に幅広い層に受け入れられたそうだ。今夏の販売も検討中だという。

 ここ数年で「飲むだし汁」をうたう商品が増加。ただ、習慣化は難しいようで、コカ・コーラが2020年に発売した和だし飲料「GO:GOOD ゴクっ!と旨い和だし」や味の素が2023年に発売したドリップ式飲むおだし「Dashi-ChaR」<かつお><とまと>は、いずれも終売した。

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