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「ノア/ヴォクシー」なぜ売れる? アルファード超え「15万台」が示す日本の最適解高根英幸 「クルマのミライ」(5/5 ページ)

トヨタのノア/ヴォクシーは、ミニバン市場で圧倒的な強さを誇る。Mクラスミニバンは、日本の道路事情や生活に合った使い勝手の良さが魅力。トヨタ車の信頼性の高さも強みだ。ライバル車も含めて、さらなる進化を期待したい。

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ライバルのステップワゴン、セレナは……

 ホンダにはステップワゴン、日産にはセレナというライバル車種があり、それぞれ昨年の販売台数はステップワゴンが15位の約5万7000台、セレナが11位で約7万1000台。まずまずの人気を誇っている。

 しかし、セレナの歴代モデルは故障の多さとメンテナンス性の悪さが、メカニックからの評判としてネット上でよく挙げられている。現行モデルは登場してまだ3年ほどであるため、そうした問題が表面化するかどうかは、もう少し時間を見ないと分からないが、改良が進んでいることに期待したい。

 現行モデルのセレナは、デザイン的にも実際の寸法でもライバル車よりスリムな印象で、取り回しは良いという評判だ。年間の販売台数も7万台を超えているため、販売拠点の多さを生かしてヴォクシーのような兄弟モデルを投入すれば、さらに伸ばせそうだ。

 日産は、経営体質改善のために売れ筋モデルに集中し過ぎた結果、ユーザーの選択肢を狭めてしまった。結果として全体の売り上げが縮小し、それが低迷の原因になったのではないだろうか。

 一方、ステップワゴンはホンダらしく、デザインや機能に独創性が感じられるが、先代モデルで導入した分割式のリヤゲートなど、1代限りで廃止となる独自装備も少なくない。他が採用しないようなデザインや装備はメリットがある半面、デメリットも存在する。


先代のステップワゴンに採用されていた「わくわくゲート」は、リアゲートの左半分を横開きにも開閉できた。便利な機能だが、左右非対称なデザインと後方視界にピラーが映り込むことが不評で、販売は伸び悩んだ(写真:ホンダ)

 だがホンダは、技術とアイデアで商品力の高いモビリティを生み出してきた、チャレンジ精神の企業だ。野球で例えると、トヨタが安打製造機なら、ホンダはホームランバッター。ホームランか三振か、という打率の低い商品を出し続けることで、熱心なファンを得てきた歴史がある。

 そういった意味では、先代のステップワゴンは失敗だったかもしれないが、ガラリと印象を変えた現行モデルはかなりのヒット作となった。


シンプルなデザインに一新した現行モデルのステップワゴン。ノアの中庸的なデザインに対し、若年層に向けて振り切った印象で、人気車種となった(写真:ホンダ)

 今後も、日本の道路事情や住宅事情にマッチしたMクラスミニバンの需要は大きくは変わらないだろう。しかし、ユーザーを獲得する努力を続ける必要性も変わらない。

 日本のミニバンはどうなっていくのか。その進化を見続けていきたい。

筆者プロフィール:高根英幸

 芝浦工業大学機械工学部卒。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。これまで自動車雑誌数誌でメインライターを務め、テスターとして公道やサーキットでの試乗、レース参戦を経験。現在は自動車情報サイトEFFECT(https://effectcars.com)、クラシックミニ専門サイト(https://classicmini.jp)を主宰するほか、ベストカーWeb、Yahoo!ニュース、ITmedia ビジネスオンラインなどに寄稿中。著書に「エコカー技術の最前線」(SBクリエイティブ社刊)、「メカニズム基礎講座パワートレーン編」(日経BP社刊)などがある。近著は「きちんと知りたい! 電気自動車用パワーユニットの必須知識」(日刊工業新聞社刊)、「ロードバイクの素材と構造の進化」(グランプリ出版刊)。


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