無視されがちなシニア社員の「メンタル不調」 再雇用したベテランを戦力化するには? 社労士が解説(1/3 ページ)
ゴールディンウィークも終わったこの時期、新卒社員がメンタル不調を訴え、対応に悩んでいる企業の担当者もいるでしょう。ですが、配慮すべきは新入社員だけではありません。4月から再雇用しているシニア社員に対しても注意が必要です。
ゴールディンウィークも終わったこの時期、新卒社員がメンタル不調を訴え、対応に悩んでいる企業の担当者もいるでしょう。
企業には、新卒社員に限らず、全社員のメンタルのケアが求められています。中でも、3月末で60歳の定年を迎え、4月から再雇用しているシニア社員に対する配慮も重要です。
早期退職や転職などで会社を辞める人が増える一方、新卒で入社した会社で定年を迎えたシニア社員も依然として多いでしょう。シニア社員の人数が、新卒社員と変わらない企業もあるかもしれません。
シニア社員の中には、年度末まで第一線で働いていたにもかかわらず、いきなり部下も役職もつかない一担当者社員になるという環境の変化に適応できない人もいます。その結果、仕事への意欲やモチベーションが低下してしまうことも。これはシニア社員本人だけでなく、周りの社員や企業経営にとってもマイナスです。
そこで今回は、シニア社員のモチベーションを回復させ、戦力化していくために企業がすべきことを社会保険労務士が解説します。
多くのシニアが「再雇用」で働いている
総務省統計局の「労働力調査」によると、2024年における60代前半の就業率は男性が84.0%、女性が65.0%でした。10年前の2014年と比較すると、男性が9.7ポイント、女性が17.4ポイント増えています。
年金が支給される65歳まで働くことが当たり前となり、定年を65歳まで延長する企業も増えてきました。しかし、依然として定年を60歳としている企業が多いのが実情です。厚生労働省が発表した令和7年「高年齢者雇用状況等報告」では、62.2%の企業が定年を60歳と定めています。
60歳で定年を迎えた後は、有期契約の嘱託社員として働く人が大半を占めます。定年退職の時期を「60歳の誕生日を迎えた月の末日」としている企業もありますが、事業年度末とする企業もあり、大企業ほどその傾向があります。
そのため、冒頭で紹介したように4月から再雇用としてスタートするシニア社員が発生するのです。仕事の内容は人により異なりますが、部下も役職もつかない一担当者社員として働く人が大半です。
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