無視されがちなシニア社員の「メンタル不調」 再雇用したベテランを戦力化するには? 社労士が解説(2/3 ページ)
ゴールディンウィークも終わったこの時期、新卒社員がメンタル不調を訴え、対応に悩んでいる企業の担当者もいるでしょう。ですが、配慮すべきは新入社員だけではありません。4月から再雇用しているシニア社員に対しても注意が必要です。
シニア社員のモチベーションを下げるのは給与ダウンだけでない
パーソル研究所の調査によれば、契約社員などで再雇用される場合、定年前と比べて約30%給与が下がるケースが多いそうです。
給与が下がった人の半数近くが「自分の価値が低下した」「会社員としてのキャリアが終わった」「モチベーションが下がった」「忠誠心が下がった」などと回答しています。
定年まで勤めあげた会社といえ、労働者である以上、報酬が下がればモチベーションが低下するのは仕方ないでしょう。さらに最近では、給与ダウン以外にも再雇用シニア社員の自信を打ち砕かれる状況が生じています。AIの台頭です。
AI活用が進んだことにより、ベテラン社員しか知り得なかった専門知識がAIツール上に質問を投げるだけで入手できるようになりました。その結果、若手社員が再雇用シニア社員に相談しなくても済むようになり、相談役としての役割が減っているのです。
若手よりも、シニア社員に関する労務トラブルの方が多い
一般的に、ワークライフバランスを重視し、権利主張も強いとされる20〜30代社員と比較して、60代の社員は会社に対して不平不満を言わずに働くイメージがあるのではないでしょうか。しかし社会保険労務士として顧問先から寄せられる労務関連の相談では、再雇用も含めてシニア社員に関するトラブルの方が、若手社員に関するものよりも多い印象があります。
相談の内訳は「仕事のパフォーマンスが衰え、他の社員の半分程度の業務量しかこなせない。減給や契約を解除することはできないのか?」「体調不良による欠勤が多いので懲戒にできないか?」などです。
また業務中や通勤で転倒して労災を申請するケースが多いという話も聞きます。個人差はあるものの加齢とともに体力は落ちるので、シニア社員は業務中に怪我するリスクも若い社員と比べ高いのです。
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