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「履くだけで疲れにくくなる」は本当か 急拡大する“リカバリーシューズ”の各社戦略(3/4 ページ)

「リカバリーシューズ」の勢いが拡大している。パイオニア「ウーフォス」やリカバリーウェアの「テンシャル」は、リカバリーサンダルの売り上げが右肩上がりに伸びている。老舗靴ブランドの「マドラス」では、独自のリカバリーインソールが好調だ。各社の戦略を取材したところ……。

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ウーフォスやホカを追う「テンシャル」

 疲労回復パジャマ「バクネ」で知られるテンシャルも、じわじわとリカバリーサンダルの売り上げを伸ばしている。2021年5月の発売からシーズンごとに改良やラインアップの拡充を重ね、累計販売数は22万足に上る(2026年2月時点)。

 2025年秋冬には、開発に約3年を費やした大幅リニューアルを実施。日本人約40万人の足型データを活用して「安定性」や「フィット感」を追求した。


取材に対応したテンシャルの石川朝貴氏(左)と守屋俊治氏(筆者撮影、以下同)

 「製品開発の過程では、『エビデンスの再定義』を行いました。シューズ業界では、ソールがゆりかごのように丸みを帯びた『ロッカーボトム構造』が歩きやすいという定説があります。しかし、さまざまな構造のソールで歩行時の圧分散や履き心地などを検証したところ、ロッカーボトムよりも良い結果となったソールがありました。『データ』と『感覚』の両軸を追い求めた結果、当社独自の設計が生まれました」(テンシャル 商品本部 企画開発グループ 守屋俊治氏)


テンシャルの新作「リカバリーサンダル プロスライド」

 2026年春夏には、さらなるリニューアルを実施した。足裏が触れるフットベッドには柔らかいEVAを、地面と接するアウトソールには硬度の高いEVAを採用する「2層構造EVA」を搭載した「リカバリーサンダル プロ」シリーズを新たに発売。「履いた瞬間の柔らかさ」と「歩いたときの安定性」の両立を実現した。

 春夏の新製品では、機能性の向上だけでなく、ピンクや紫、イエローなどの色展開を増やしてファッション性も高めた。


8000円弱の「リカバリーサンダル スライド」は、カラフルな色展開にした

 「価格が8000円弱の『リカバリーサンダル スライド』シリーズは、パイオニア『ウーフォス』をベンチマークにしています。ファッション性も重視し、どちらかというと女性がターゲットです。価格が1万円を超える『リカバリーサンダル プロ』は『HOKA(ホカ)』をベンチマークにしていて、男性がターゲットです」(テンシャル 執行役員 事業統括本部 新規事業開発部 部長 石川朝貴氏)

 同社のリカバリーサンダルは、約6割の顧客が女性となる。一方で、プロシリーズに限っては男性が多い。プロシリーズは発売から3カ月とまだ間もないが、想定以上の反響を得ているという。

 1人1人に合った靴を作るのは、洋服以上に繊細で難しいことから、テンシャルでは、今後もリカバリーサンダルの改良を続けていく方針だ。同社では寝具も好調だが、いずれにしても「ネクストバクネの創出を目指す」と守屋氏は話した。

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