なぜ「屋外エアコン」は10分で完売したのか コロナが見つけた“家の外”という新市場(3/4 ページ)
猛暑で「夏キャンプは厳しい」と言われる中、コロナの屋外向けポータブルエアコンが発売10分で完売した。背景には、車中泊需要の拡大や、“屋外を冷やす”新市場の広がりがあった。
窓用エアコンを「横」に倒す
BREEZE BOXが屋外でも涼しさを実現できる理由は、本体内部のレイアウトにある。コロナ社が40年以上手掛けてきた窓用エアコンの技術を応用しているが、窓用エアコンは窓枠にはめ込む縦型だ。これを持ち運び可能なボックス型にするため、内部を横型に再設計した。
具体的には、中央にコンプレッサーを置き、その左右に熱交換器を斜めに配置。この並べ方によって大型のファンを搭載でき、冷たい風を遠くまで送れるようになった。風量「HIGH」時には、最大10メートル先まで風が届く。冷却性能を維持しながら、消費電力を抑えつつ風量も高める。こうした性能の両立が、レイアウト設計で最も苦労した点だったという。
左側がテント内の空気を吸い込む吸気口、右側が外へ熱を逃がす排気口にあたる。冷えた空気を居住スペースに送りつつ、熱を帯びた空気は外へ逃がす仕組みだ。熱交換器を2つ備える構造自体は、他社のポータブルエアコンにもあるが、内部レイアウトの工夫で差別化を図った。
このレイアウトは、静音性にも効いている。就寝時の使用を想定し、運転音はLOW運転時で40デシベルに抑えた。コンプレッサーは振動を伴うため、対策をしなければ、部品が共振して騒音が大きくなる。振動を抑える配置のノウハウは、長年の窓用エアコン設計で培ってきた。
実際の冷却効果も検証している。試作段階での社内評価によると、大人3人用テントで気温30度の環境で運転したところ、3〜4度下がったという。
使い勝手の面でも工夫がある。本体には折りたたみ式の脚を備え、インナーテントの立ち上がり部分をまたいで設置できる。操作部のある前方をテント内に、排気側の後方をテント外に出して設置する。付属のダクトは、冷風側・排熱側のどちらにも取り付け可能だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
ソニーの“着るエアコン”が売れ続ける理由 生産量は初代比10倍に拡大
ソニーの“着るエアコン”「REON POCKET」が販売を伸ばしている。スーツでも目立ちにくい設計や猛暑の深刻化を背景に需要が拡大。生産量は初代比約10倍に達し、海外展開も広がっている。
ドンキ、“風がスースー”の布団を投入 エアコンつけっぱなし時代の新寝具
ドン・キホーテが、ファン付き掛け布団「涼風めぐる夢見ブランケット」を発売した。冷感寝具市場では「触った瞬間の冷たさ」から、「朝まで続く涼しさ」へと需要が変化している。
「ファン付きウェアの次」は“冷やす服” サンコーの「冷蔵服」が累計12.8万台を突破した理由
猛暑が常態化する中、ファン付きウェアに代わる新たな暑さ対策として「冷やす服」が広がり始めている。サンコーの「冷蔵服」は発売1カ月で2.5万台、累計12.8万台を突破するヒットとなった。その理由を探る。
工事不要で“涼しい部屋”を増やす ビックカメラの「置くだけエアコン」新モデル登場
ビックカメラは、PB「ビックアイデア」から、工事不要で使える冷房機器として「スポットエアコン」と「ポータブルルームエアコン」を5月中旬に発売する。


