なぜ月額2189円でも選ばれるのか 会員515万人突破、U-NEXTが描く「Netflixと違う道」:サブスクの勝算と限界(2/5 ページ)
動画配信サービスの中で月額2189円と高価格ながら会員数を伸ばすU-NEXT。その理由は、映画やドラマに加え電子書籍やライブ配信などを含む独自の“オールインワン戦略”にある。Netflixとの差別化の行方を追う。
高くても選ばれる理由
市場調査などを手掛けるGEM Partners(東京都港区)によると、2025年のSVOD(定額制動画配信)国内市場シェアでU-NEXT(17.1%)は、Netflix(27.1%)に次ぐ2位につける。ただし、前年比で見るとNetflixが5.6ポイント伸ばす一方、U-NEXTは0.8ポイント減らした。会員数を伸ばしているものの、市場シェアの差はわずかに広がっている。
追う立場なら、値下げで会員獲得を急ぐ選択もあるだろう。業界トップのNetflixも、広告付きプラン(890円)で利用のハードルを下げている。しかし、U-NEXTは2189円を維持し、値下げも予定していない。
「1000円前後で勝負すると、Netflixと同じ市場に入ることになる。資本力にギャップがある中で、エンゲージメントの高いユーザーをまず獲得するというのが当初の仮説だった」と、U-NEXT社長の堤天心氏は振り返る。
U-NEXTは立ち上げ当初、マス層を狙わず映画ファンに絞る戦略を展開した。当時、レンタルビデオ店で毎月2000〜3000円を使う層にとって、月額2000円台は受け入れられる価格帯だと判断。毎月1200円分のポイントも、新作レンタルが1本約400円だったことから、月2〜3本という平均的な利用実態をもとに逆算して設計した。
コア層に絞ってアプローチする発想は、他のジャンルでも同じだ。サッカーのプレミアリーグやゴルフのツアーを専用パック(いずれも2600円)として提供し、スポーツでは専門配信サービスのDAZN(月4200円)と比べて安い価格帯を実現。映画やスポーツのジャンルで、熱量の高い層を獲得してきた。
映画ファンやスポーツファンが専門サービスに支払う金額を考えると、U-NEXTの料金は必ずしも高いとはいえない。競合より高価格帯でありながら利用者を集めている背景には、コンテンツの充実度や付加価値があると考えられる。
とはいえ、堤氏によると、解約理由に値段を挙げる声もやはり多いという。では、Netflixとの差をどう縮めるのか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「平日昼のガラガラ時間」がむしろ“収益源”に サウナ業界で始まった空き時間ビジネス
平日昼の“空き時間”を定額で開放するサウナサブスクが広がり始めている。人気施設の低稼働時間を収益化する一方、想定外のヘビーユーザー問題も浮上。会社員の“昼サウナ習慣”は定着するのか。
「JALとANA」どこで違いが生まれたのか? コロナ禍を乗り越えた空の現在地
インバウンド需要が旺盛で、日本の観光業界が盛り上がりを見せています。では、航空会社の業績はどうなっているのでしょうか。JALとANAの決算をベースに分析したところ……。
「服のサブスク」はなぜ儲からないのか エアークローゼットが10年で黒字化できた背景
撤退が相次ぐ「服のサブスク」市場で、エアークローゼットが創業10年で初の黒字化を達成した。物流コスト削減や継続率94%超を支える改善の積み重ね、その裏側を追った。
なぜ航空会社がサブスク? 飛行機乗り放題が“ほどほど条件”になった理由
月額制で航空券と交換できる「航空サブスク」が再び注目を集めている。利用者にとって本当に得なのか。タイガーエア台湾の新プランを例に、航空会社が収益以上に期待するPR効果や狙いを読み解く。


