ヤマダ・エディオン「2.5兆円連合」の狙いは? “池袋決戦”の前哨戦か:小売・流通アナリストの視点(3/5 ページ)
ヤマダHDとエディオンが統合することとなったが、これによって家電量販店はどう変わるのか?
PB開発で先行するのは、家電量販店ではなく……
現在の家電のPBは、デザインや機能まで小売企業が主体となって開発しており、PB本来のあるべき姿となっている。ただし、アパレルや生活雑貨、家具などとは異なり、家電の場合は製品品質を担保する高度な技術力が求められるため、小売企業が製造技術そのものに関わることは難しい。
そのため、小売企業に求められるのは、「もっとおしゃれなものがほしい」「機能を絞ったリーズナブルな製品がほしい」といった消費者ニーズをくみ取り、商品企画に反映させる力である。
近年、家電PBで大きな話題となった商品の一つが、ニトリのドラム式洗濯機だ。機能を絞り込み、コンパクトなサイズにしながら、10万円を切る価格を実現した点が注目された。まさに「必要な機能に絞ることで価格を抑えてほしい」という消費者ニーズを形にした商品といえる。
こうしたリーズナブルな家電は「ジェネリック家電(機能を絞り込み、価格を抑えた家電)」と呼ばれることがある。その担い手として目立つのは、ニトリのほか、ドン・キホーテを展開するPPIH、アイリスオーヤマなどである。
一見すると、これらの企業は家電量販店とは違う業態に見える。しかし、共通しているのは、消費者のニーズをくみ取り、機能と価格のバランスを取った商品を開発してきた経験を持つ点だ。家具、生活雑貨、日用品などの分野で、長年にわたり「高すぎず、使いやすい」ジェネリック商品を世に送り出してきた企業なのである。
一方、家電量販店は長らく、NB商品の価格競争や同業他社とのシェア争いを主戦場としてきた。そのため、消費者ニーズを起点に自社商品を企画し、売り切る体制づくりでは、ニトリやPPIH、アイリスオーヤマのような企業が優位に立っている。
この差は、他の小売業を見ても分かる。ユニクロ、無印良品、ABCマート、カインズなど、本格的な製造小売業として成長した企業には、同業の2位以下が簡単には追いつけない強さがある。商品を安く作るだけでなく、誰に、どの価格で、どのような価値として届けるかまで設計できているからだ。
こうしたジェネリック商品を持つ企業の強みは、自社開発した商品を売り切るための顧客ターゲティングができている点にもある。
ジェネリック商品の購買意思決定者は、女性消費者が中心になりやすい。前述の製造小売業が専門店チェーンとして成長した背景には、2000年代以降、地方や郊外で軽自動車が普及し、ロードサイド(幹線道路沿い)店舗に女性消費者が行きやすくなったこともある。
女性消費者が購買決定に関わる商品では、デザイン性や、機能を絞り込むことで生まれるコスパが重視されやすい。そうしたニーズを的確に捉えたことで、ジェネリック商品を持つ企業が国内小売業の勝者になったのである。
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