アルファードでもノアでもない 三菱「デリカD:5」はなぜ19年目に過去最高を更新したのか:高根英幸 「クルマのミライ」(4/6 ページ)
三菱のミニバン、デリカD:5が過去最高の販売台数を記録し、高い人気を誇っている。なぜ長年にわたって人気なのか。デリカシリーズの歴史に目を向けると、その熟成ぶりが評価されているようだ。
ガソリン車のみでデビューしたデリカD:5
第5世代のデリカD:5となっても、本格4WDとしてのアイデンティティーを守り抜こうとしていたが、ディーゼルの排ガス規制をクリアすることは難しく、D:5はガソリンエンジン車のみでデビューすることになった。
2007年にデビューしたデリカD:5。5代目デリカとしてボディはワイドになったが全長を切り詰め、コンパクトながら骨太な印象になった。雪道をダイナミックに走るこのシーンでも本格4WDをアピールする思想が伝わってくる(写真:三菱自動車)
エンジンは、排気量2.4リットルで横置きにすることで、ボディをコンパクトにした。しかも、シャープなデザインで精悍(せいかん)さを高め、むしろカタマリ感のあるシルエットが好評を博した。
ミニバンながらコストと走行性能を両立させるため、独自のボディ補強技術として、各ピラー部(屋根を支える部分)を環状構造とするリブボーンフレームを採用。強固で衝撃吸収にも優れたクルマに仕立てられた。
保安基準の緩和によってカスタムを楽しみやすくなり、よりオフロードテイストを高めるカスタムが流行したことも、さらにD:5の人気を押し上げた。
しかしガソリンエンジンでは非力な印象があることから、先代のスペースギアに乗り続けるユーザーも多く、ディーゼル待望論は大きかった。もちろん三菱もそんなムードを無視していたわけではなく、D:5のデビューには間に合わなかったものの、厳しい排ガス規制をクリアできる新型ディーゼルエンジンの開発を進めていた。
そしてようやく2013年、デリカD:5にクリーンディーゼルが追加投入された。すでに欧州仕様のアウトランダーに導入されていたが、ミニバンのD:5ではエンジンルームの制約などがあり、時間がかかったようだ。
低速トルクが強いクリーンディーゼルの搭載で走行性能が向上。登坂能力の高さなどをイベントやディーラー店頭でアピールし、本格4WDの復活を印象付けた。
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