アルファードでもノアでもない 三菱「デリカD:5」はなぜ19年目に過去最高を更新したのか:高根英幸 「クルマのミライ」(3/6 ページ)
三菱のミニバン、デリカD:5が過去最高の販売台数を記録し、高い人気を誇っている。なぜ長年にわたって人気なのか。デリカシリーズの歴史に目を向けると、その熟成ぶりが評価されているようだ。
4WDブームで高い人気を維持
2代目のデリカスターワゴンは、よりシャープなデザインで前衛的な印象になり、室内も高級感が高まった。
デリカとしては3代目、4WDとしては2代目となるデリカスターワゴン4WD。1986年にデビューし、1999年まで生産された(販売は2004年に終了)。タフなイメージはそのままに、鋭さを感じさせる前衛的なデザインで高級感を高めた(写真:三菱自動車)
この頃から国内では、本格的な4WDブームが起こり、トヨタのランドクルーザーや三菱のパジェロ、日産のサファリ、いすゞのビッグホーンなど、各社が本格4WD(不整地を走ることを目的とした4WD車)を開発し、人気を競うようになる。
だが、デリカスターワゴン4WDは走破性は高いものの、エンジンが奥にあるレイアウトであったためスペースに制約があり、エンジン性能を高めにくかった。
そこで次の世代では、構造を大きく変更。エンジンを前方に配置したセミボンネット型のミニバンへと変化するのだ。
それが1994年に登場した、4代目となるデリカスペースギアであった。ボンネットを追加したことでボディは大幅に延長。ホイールベースも拡大したため、標準ボディでも全長は50センチ近く長くなり、ロングボディは全長5メートルを超えた。
デリカスターワゴンの後を継いだデリカスペースギア。パジェロのフレームを利用して、それに合わせたモノコックボディを組み合わせたセミモノコック構造を採用。当時の三菱のデザインコンセプトに伴って、シルエットは丸みを帯びるものになった(写真:三菱自動車)
堂々としたボディが風格を感じさせ、デリカスペースギアも高い人気を維持した。しかし、4WDブームにも終わりが訪れる。その後、SUV人気へとつながっていくのだが、明らかに流れが変わった。
ディーゼル規制が厳しくなったことが、本格4WDの存続を危うくさせたのだ。排ガス問題などでディーゼル車に対するイメージの低下もあり、4WDブームは収束。ミニバン、そしてSUVへとムーブメントが変化していく。
デリカスペースギアには3リットルのV6ガソリンエンジンも設定されていたが、人気をけん引していたのは、低速トルクの強いターボディーゼルだったのだ。そのため三菱は、第5世代のデリカでは戦略を変える必要に迫られたのだろう。
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