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アルファードでもノアでもない 三菱「デリカD:5」はなぜ19年目に過去最高を更新したのか高根英幸 「クルマのミライ」(2/6 ページ)

三菱のミニバン、デリカD:5が過去最高の販売台数を記録し、高い人気を誇っている。なぜ長年にわたって人気なのか。デリカシリーズの歴史に目を向けると、その熟成ぶりが評価されているようだ。

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ライバル不在、本格的4WDミニバンの系譜とは

 そもそもデリカは、トヨタのハイエースのライバルといえるキャブオーバー型(エンジンの上にキャビンを配置する)のワンボックス型小型貨物車が基本モデルだった。

 デビュー翌年の1969年には乗用車タイプの9人乗りワゴン、デリカコーチも発売されたが、個人用というより乗員輸送用のマイクロバスのような位置付けであった。

 1979年に2代目へフルモデルチェンジして、丸みのあるデザインから直線基調のボクシーなデザインへとスタイリングを一変。鋼板プレス技術の発展もあって直線的なデザインが可能となり、新鮮な印象を与えることから、このデザインが主流となったのだ。

 乗用車モデルはデリカスターワゴンという名称で、自家用車として本格的なワンボックスワゴンへと仕立て上げられた。そして三菱は、本格的な4WD(四輪駆動)車のパジェロと共にタフな4WD車をそろえるようになり、デリカスターワゴンにも4WDを設定した。

 そもそも三菱は、戦時中にジープ型の4WD車の開発を国から命じられ、戦後は米ウイリス社からライセンスを得てジープを生産販売してきた実績があった。トヨタのランドクルーザーも発端は同じだが、独自モデルとして発展してきたのに対し、三菱はジープの生産を続けたという点で立ち位置は異なるが、1980年代に入ると独自の4WD技術開発へと進路を変えるのだ。

 そうして1982年に登場したのがデリカスターワゴン4WDだった。これはピックアップトラック「フォルテ」のパートタイム式4WDシステムを、シャーシごと移植したものだった。


初代デリカ4WDとなったスターワゴン4WD。現在のようにモノコックボディに4WDを組み込むのではなく、4WDトラックのシャーシの上にデリカのボディを載せた大胆な手法で作り上げた(写真:三菱自動車)

 「セミモノコックボディ構造」といえば聞こえはいいが、要は別のクルマのシャーシにボディを載せたような作りで、走破性を高める大径タイヤと、高い最低地上高を確保するための車高によって、通常のモデルとはまるで異なるシルエットに仕立て上げられた。

 しかし、それがタフで無骨なイメージを強調したことから、人気が集まった。パリ・ダカールラリーへの挑戦を続けるパジェロと同様に、誰もが買い求めるクルマではなかったが、憧れの1台へと成長したのだ。

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