「よく眠ること」が競争力になる? 企業を変えるスリープテックの現在地:世界を読み解くニュース・サロン(3/5 ページ)
「スリープテック」を健康経営や商品・サービスに活用する動きが広がっている。特に、企業向けの睡眠改善プログラムなどを導入し、睡眠改善や仮眠を生産性向上のために活用する企業が増えている。
睡眠に適した「スマート寝室」へ
また、こんな取り組みも行われている。日本の住宅は居住スペースが限られ、夏冬の寒暖差も大きい。これを前提に、寝室全体をIoTで最適化する「スマート寝室」の発想が広がっている。NTT東日本グループは、東京発のスリープテック企業ブレインスリープが開発したコインサイズの睡眠計測デバイス「ブレインスリープ コイン」を活用した、企業向け睡眠改善プログラムを提供。睡眠の段階や姿勢、体動、いびきなどを分析する。
ブレインスリープはさらに、寝具だけでなく住空間全体で睡眠を支える発想を打ち出している。注文住宅を手掛ける企業と提携して、良質な睡眠のために設計した寝室「BRAIN SLEEP HOME」を展開。また、長谷工コーポレーションやNTT東日本グループと「快眠のための家」の実証実験を行い、睡眠時の生体データとエアコンやカーテン、照明などを連動させ、睡眠に適した住環境を整える試みを進めている。
海外のスリープテック企業の多くがコンシューマー市場から成長したのに対し、日本では企業の健康経営を起点としたB2Bの展開が目立つ。
楽天グループはニューロスペースと連携し、「睡眠ラリー」という睡眠改善プログラムを実施。睡眠チェックや専門家によるセミナー、参加型キャンペーンなどを通じて、従業員の睡眠習慣の改善に取り組んだ。
また、第一三共ヘルスケアとT&Dホールディングスは共同で「年に1度の睡眠診断運動」を推進。専用アプリを入れたスマートフォンを枕元に置いて睡眠時間や状態を計測する取り組みを行っている。
SOMPOひまわり生命保険もニューロスペースと連携し、睡眠研修やデバイスを活用した睡眠習慣デザインプログラムを実施。三菱地所もニューロスペースの監修のもと、仮眠室を活用した仮眠効果検証実験を行うなど、「睡眠を前提にした働き方」を模索する動きが広がっている。
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