「申し訳なさはあるが……」 新卒3割が“内々定辞退予備軍”、現役学生の“ホンネ”(2/2 ページ)
調査によると、新卒3割が“内々定辞退予備軍”だという。今どきの学生は「就活」「内々定辞退」をどう捉えているのか。現役学生が語った。
就活中「企業のWebサイトだけでは何も理解できない」
調査では、現場社員との面談で確認したい内容として「仕事の厳しさや課題などネガティブな側面」(43.9%)が最も多かった。
――人事の立場では、ネガティブに映りかねない泥臭いことを伝える怖さがあると思います。お二人から見ると、ネガティブな話を聞けた方が「かえって志望度が高まる」「信頼感が芽生える」などはありますか?
アキトシさん 選考のフェーズによると思います。一次面接で人事担当の方に質問するのはタイミングが違う気がします。最終面接前や内々定承諾期間中になると「本当にその会社で働くかどうか」を判断する段階なので、仕事の厳しさや大変な部分も確認したいですね。
私自身も、選考の後半になるほど、そうした質問を意識していました。
リコさん ミスマッチを防ぐために、とても大事だと思います。企業として「きれいな部分だけを見せたい」という気持ちは理解できますが、入社後に「思っていたのと違った」となる方がお互いによくありません。
私は本選考の手前くらいから「実際は大変ではないですか」「仕事で苦労することはありますか」といった質問も積極的にしていました。
――話をオープンに聞ける企業もあればそうでない企業もあります。2人からはどう見えますか?
リコさん 就職活動をしていて「企業のWebサイトの内容だけでは、何も理解できなかった」という印象が非常にあります。
私は社員訪問をとても重視していて、第一志望の企業では7人の社員の方とお話をしました。1人の話を聞いて終わりではなく気になったことがあれば別の社員の方に聞いていました。
アキトシさん 私はキャリアパスを重視していました。社員訪問を通じて、自分が将来歩みたいキャリアに近い方や、興味のある部署で働いている方の話を聞けたことが、とても参考になりました。
入社意欲が高まるフォローとは?
学生にとって有益だと思えた社員面談のタイミングとして「会社説明会〜エントリーシート提出まで」(30.9%)と「二次面接合格〜最終面接まで」(24.7%)が上位となった。ただし、面談の目的は選考の進み具合によって変化するようだ。
――社員面談はどのタイミングで行いましたか?
リコさん サマーインターン後に「この会社はどんな会社なんだろう」という理解を深める目的で社員訪問をしました。
その後、本選考が近づくと「自分はどんな働き方をしたいのか」「社員の方はどんなキャリアを歩んでいるのか」を聞くようになりました。
アキトシさん 本選考の場合、企業理解がまだ十分ではない段階でリアルな話を聞いても理解し切れないので、一次面接から最終面接までの間くらいで面談するのがちょうどよかったです。企業理解が深まるにつれて、聞きたいことも変わっていきました。
――内々定後は、どのようなフォローがあると入社意欲が高まりますか?
リコさん 今、あったらうれしいと思うのは、配属について相談できる機会です。
企業のWebサイトに掲載されている部署の説明は、大まかなことも多いので、社員の方と話しながら「自分はどの部署が向いているのか」を相談できる場があるとうれしいです。
アキトシさん 私は最終的に、2社目に内々定をいただいた会社への入社を決めました。社員面談や内定者懇親会を重ねる中で、一緒に働くことになるかもしれない社員や同期の雰囲気が分かり「ここで働きたい」という気持ちが強くなりました。
実際にあって良かったのは座談会です。あったらよかったと思うのは「オフィスツアー」です。オンライン面接が中心だったので、働く環境を実際に見る機会がほとんどありませんでした。オフィスの雰囲気はWebサイトだけでは分からないので、実際に見られる機会があるとよかったです。
学生が複数の企業を比較して就職先を選ぶことが当たり前になった今、企業は「選考過程」だけでなく「内々定後のフォロー」も無視できなくなっている。入社までの段階に応じて、現場社員との対話の機会を設計することが求められているようだ。
また、学生が知りたい情報も一様ではない。働き方やキャリア、配属、職種など、関心はますます個別化している。だからこそ、多様な社員と直接対話できる機会を用意し、良い面だけでなく仕事のリアルも含めて伝えることが、ミスマッチの防止や内定辞退の抑制につながる。
学生2人の率直な言葉からは、そんな採用活動のヒントが浮かび上がる。
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