ハイエースはどこまで進化できる? 「変えたくても変えられない」ニッポンの商用バン事情:高根英幸 「クルマのミライ」(2/5 ページ)
トヨタのハイエースはビジネス用途を中心に、幅広い業種で利用されている。その歴史を見ると、使い勝手の良さと高級感を高めたことで広く支持されてきた。一方、現行の200系は20年以上フルモデルチェンジしていない。それはなぜなのか。
時代の寵児、ハイエースの歴史
ハイエースが誕生したのは1967年。トヨタはトラックと乗用車に加えて、小型の貨物車の需要をカバーするために新たなカテゴリーに挑戦したのだ。
当時のトラックはボンネット型(エンジンが運転席の前にある車体構造)だったが、ハイエースはスペース効率を追求したキャブオーバー型(エンジンの上に運転席がある車体構造)とすることで、コンパクトなボディに十分な積載能力を備えていた。狭い道でも小回りが利くことから、幅広い業種で利用された。
自家用車がぜいたくだった時代、クルマは商用車を中心に使われた。自家用車を持てなくても、仕事用のクルマを週末には家族で使う商店や自営業者も多かったのだ。
そんな便利なクルマであるから、個人で乗用車として、あるいはキャンピングカーとして利用するユーザーも続出した。ちょうど第1次キャンピングカーブームの頃であり、海外から豪華なキャンピングカーが輸入されたものの、購入できる人は限られていたため、三菱のデリカなどと並んでハイエースが使われたのだ。
経済活動が盛んになるにつれて、ハイエースは街に浸透していった。
デビューから10年がたち、ハイエースは2代目へとフルモデルチェンジを果たした。ボディパネルのプレス技術が向上し、丸みを帯びたグリルレスのデザインとなった。サイドウインドーも曲面ガラスとすることで、シンプルながらフォルムは洗練された。
ワゴンモデルもコミューター(大人数を送迎するためのワゴン・マイクロバス仕様)的な役割だけでなく、より上質な移動空間を求めるユーザーのために充実した装備の高級グレードが用意された。リアサスペンションはワゴンのみコイルスプリングを採用し、積載重量を抑える代わりに乗り心地が大幅に向上した。
特にマイナーチェンジを受けた後期モデルでは、内外装の豪華さで個人ユーザーが憧れるクルマとなった。それでも需要の中心は商用バンであり、使い勝手の良さと耐久性の高さでハイエースは高く支持され続けたのだ。
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