ハイエースはどこまで進化できる? 「変えたくても変えられない」ニッポンの商用バン事情:高根英幸 「クルマのミライ」(5/5 ページ)
トヨタのハイエースはビジネス用途を中心に、幅広い業種で利用されている。その歴史を見ると、使い勝手の良さと高級感を高めたことで広く支持されてきた。一方、現行の200系は20年以上フルモデルチェンジしていない。それはなぜなのか。
次世代のハイエースはどう進化するのか
では、次世代のハイエースはどうなるのだろうか。先頃、ハイエースは10回目となる一部改良を受けた。WP29(国連欧州経済委員会の自動車基準調和世界フォーラム)が定める安全基準に対応するため、シートとヘッドレストを改良した。
今年初めにはついにACC(前車追従機能付きクルーズコントロール)まで搭載し、高速道路での長距離走行時の安全性が高まり、ドライバーの疲労軽減にもつながった。
しかし、それだけに5ナンバーサイズでの進化は限界に達しているといえる。弟分のライトエースは、セミボンネットスタイルのバンとトラックが用意されているが、ハイエースほどの需要はないことから、現在は日本仕様もインドネシアで生産して輸入している状態だ。
またハイエースのワイドボディは、コミューターやキャンピングカーとしての需要はあるが、ハイエース全体の1割にも満たないため、独立して存続できるパッケージングではない。
ならば、職人たちの代替わりを見込んで、次世代ハイエースでは思い切ってボディサイズの大型化を推し進めるのだろうか。
2025年のジャパンモビリティショーでは、さまざまなコマーシャルビークルに交じって「ハイエースコンセプト」という近未来のハイエースをイメージしたモデルが展示された。それは現行のワイドスーパーロング並みのボリューム感を誇っていた。
ジャパンモビリティショー2025でトヨタブースに展示されたハイエースコンセプト。シンプルでボクシーなシルエットは「KAYOIBAKO」という小型コマーシャルバンに通じる。このコンセプトカーは移動往診車をイメージした仕様であった(筆者撮影)
また次世代では、ハイブリッドなどの電動化や自動運転にも対応する必要があるだろう。しばらくは200系の生産が続くのだろうが、あと数年でその時代は終わりを告げることになりそうだ。
筆者プロフィール:高根英幸
芝浦工業大学機械工学部卒。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。これまで自動車雑誌数誌でメインライターを務め、テスターとして公道やサーキットでの試乗、レース参戦を経験。現在は自動車情報サイトEFFECT(https://effectcars.com)、クラシックミニ専門サイト(https://classicmini.jp)を主宰するほか、ベストカーWeb、Yahoo!ニュース、ITmedia ビジネスオンラインなどに寄稿中。著書に「エコカー技術の最前線」(SBクリエイティブ社刊)、「メカニズム基礎講座パワートレーン編」(日経BP社刊)などがある。近著は「きちんと知りたい! 電気自動車用パワーユニットの必須知識」(日刊工業新聞社刊)、「ロードバイクの素材と構造の進化」(グランプリ出版刊)。
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