売れる自販機は「1台」で考えない JR東日本の駅ナカで育った“商圏”のヒミツ:インタビュー劇場(不定期公演)(2/6 ページ)
自販機市場が縮小する中でも、売り上げを伸ばす自販機がある。そのカギは、自販機を「1台」で考えない独自の“商圏”づくり。JR東日本の駅ナカで磨かれた、意外な売り場の発想を聞いた。
自販機「アキュア」の特徴
土肥: 自販機「アキュア」の特徴は、大きく分けて2つありますよね。1つめは、ブランドミックスであること。一般的な自販機は、飲料メーカーの商品だけを販売するケースが多いですが、アキュアは複数メーカーの商品を販売している。売れ筋の商品だけを並べることもできるわけですよね。
また、プライベートブランド(PB)商品も扱っている。例えば「From AQUA(天然水)」や「天然水ゼリー」など。飲料メーカーは、スーパー、コンビニ、自販機などさまざまな販路で売れる商品を開発しなければなりません。
一方、JR-Crossは自販機向けの商品開発に集中できますよね。JR東日本の駅ナカでどんな商品が売れているのか、そうした傾向を分析し、商品開発に生かせることも特徴のひとつかと。
もう1つは、Suicaなどの電子マネー決済を通じて、データを分析できること。時間帯、曜日、駅ごとの利用傾向、売れ筋商品の変化など。売れ行きを見ながら商品を入れ替え、それぞれの駅や自販機の利用者に合わせた品ぞろえができるんですよね。
このように膨大なデータを抱えているわけですが、例えば、コロナ禍の前後で販売状況に変化はあったのでしょうか?
小室: アキュアのデータを見ると、販売のピークは通勤ラッシュ時の午前7〜9時ごろなんですよね。夜のピークは、午後10〜11時くらいにある。会社の飲み会帰りに、酔い覚ましとして購入する人が多いのかもしれません。
コロナの前後で見ると、大きな変化はありませんでした。ただ、満員電車を避けようという人が増えたのか、朝のピーク時よりもちょっと前に、またはちょっと後に購入する人が増えました。
また、コロナ前は夜のピーク時に集中していましたが、コロナ後は違う。早く出社した人は早い時間帯に、遅く出社した人は遅い時間帯に、購入する時間帯が分散する傾向も見えてきました。
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