2015年7月27日以前の記事
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日本発の「夢の電池」はどうなったのか 動き出した再生計画世界を読み解くニュース・サロン(4/4 ページ)

次世代リチウムイオン電池として注目された「全樹脂電池」。開発していた企業は、混乱の末に破産したが、実はプロジェクトはまだ途絶えていない。日本の開発者たちの熱意で、「夢の電池」の量産化は実現できるのか。

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開発者たちの熱意は消えていない

 さらに、こうした技術は日本の経済安全保障においても極めて重要だ。

 現在のサプライチェーンは、リチウムイオン電池の主流な負極材である黒鉛(グラファイト)をはじめ、中国製材料への依存度が高い。しかし、全樹脂電池はグラファイト負極を必要とせず、日本、米国、欧州などから材料を調達できる。これにより、地政学的な供給中断や輸出規制のリスクを大幅に軽減できる。


「夢の電池」は重要な技術になり得る(画像提供:ゲッティイメージズ)

 一度は経営体制の混乱と破産に追い込まれた「夢の電池」。しかし、「この技術をなんとしても量産化させたい」という開発者たちの熱意は今も消えていない。彼らが開発してきた技術は、単なる効率の良い電池ではなく、人類がエネルギーを安全に扱うための重要な技術となり得る。

 福井の地から始まった「第二の電池革命」が、再び日本を代表する技術として世界を席巻できるだろうか。逆境をはね返し、国内の工場で新たな電池の量産化を実現できるまで、日本発の「夢の電池」の再生を注視したい。

筆者プロフィール:

山田敏弘

 ジャーナリスト、研究者。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフェローを経てフリーに。

 国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『プーチンと習近平 独裁者のサイバー戦争』(文春新書)、『死体格差 異状死17万人の衝撃』(新潮社)、『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』(文藝春秋)、『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)、『CIAスパイ養成官 キヨ・ヤマダの対日工作』(新潮社)、『サイバー戦争の今』(KKベストセラーズ)、『世界のスパイから喰いモノにされる日本 MI6、CIAの厳秘インテリジェンス』(講談社+α新書)がある。

Twitter: @yamadajour、公式YouTube「SPYチャンネル


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