日本発の「夢の電池」はどうなったのか 動き出した再生計画:世界を読み解くニュース・サロン(3/4 ページ)
次世代リチウムイオン電池として注目された「全樹脂電池」。開発していた企業は、混乱の末に破産したが、実はプロジェクトはまだ途絶えていない。日本の開発者たちの熱意で、「夢の電池」の量産化は実現できるのか。
なぜ「全樹脂電池」が期待されるのか
「全樹脂電池」がこれほど注目され続けるのは、やはり、従来型のリチウムイオン電池が抱える課題を解決するという期待があるからだ。
というのも、現在、モバイルバッテリーによる事故が後を絶たない。2025年には、JR山手線や水戸駅、東海道新幹線、上越新幹線でモバイルバッテリーが発火したケースが報告されている。さらに2025年1月、埼玉県川口市のごみ処理施設において、一般ごみを貯留する「ごみピット」で火災が発生し、施設の一部が損壊して一般ごみの受け入れが長期間停止した。現地調査では、リチウムイオン電池が原因との見方も出ている。
海外でも、2025年9月には韓国でリチウムイオン電池が交換の際に出火し、公務員向け文書保管基盤「G-Drive」が焼失。最大858テラバイトの保存文書が喪失したと政府当局が明らかにした。税務、郵便、行政ポータルなどのオンライン政府サービスに重大な障害が生じた。
このように従来型バッテリーの最大の弱点は、熱暴走による火災リスクだ。集電体に金属箔を使用する限り、電流急増による発火は物理的に避けられない。これに対し、APBが開発してきた電池は樹脂集電体(オールポリマー)を採用するため、発火リスクを抑えられる。
また、電池を単なる消耗品とせず、安定して使用を続けられるのも「夢の電池」の特徴だ。独自の「真空製造プロセス」により、電池劣化の元凶である水分を徹底的に排除。これにより、サイクル寿命は従来比3倍となる1万5000回以上に達し、30年間の物理的寿命を実現するという。
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