「寝ホン」はなぜ人気? Ankerとfinalが睡眠用イヤフォンに注力するワケ(4/5 ページ)
「寝ホン」と呼ばれる「睡眠用イヤフォン」の人気が拡大している。Ankerは、ノイズキャンセリングやいびきマスキング機能を搭載して人気を集める。一方、50年以上の歴史を持つオーディオブランドfinalは、入眠に特化した滑らかな音質が支持されている。なぜ、同市場が盛り上がっているのか。
「ASMR」市場を開拓したファイナル
2007年に創業したイヤフォン・ヘッドフォン専門ブランドのファイナルも、近年、睡眠用イヤフォンに注力する。ファイナルの前身企業も含めると、同ブランドの歴史は1974年に始まっており、高い音響技術が強みだという。
「レコードの針や高額なオーディオ機器を手がけてきた歴史があり、100万円を超えるヘッドフォンがフラッグシップモデルです。従業員55人のうち10数人が研究員で、研究開発の比率が高い組織です」(ファイナル 国内営業部/広報部 部長 森圭太郎氏)
そんな同社の寝ホンの始まりは、2021年にさかのぼる。といっても、当時発売したのは「COTSUBU for ASMR」(希望小売価格8480円)という製品で、睡眠用ではなく、「ASMR特化」のイヤフォンだ。しかし、知らぬ間に寝ホンとして使われていたのだという。ASMRとは、特定の音や映像から得られる心地よさやゾワゾワする体験を指す。
「同製品に搭載されている『バイノーラル技術』により、まるでその場にいるようなリアルな音を再現しています。当社が初めて同技術を搭載したのが、2019年発売の有線イヤフォン「E500」(希望小売価格1980円)でした。
これが、ASMR愛好家や特定のシチュエーションを音声で楽しむ『シチュエーションボイス』を好む女性層に口コミで広まり、『ワイヤレス化してほしい』という声が多く届きました。そこで、登場したのが『COTSUBU for ASMR』です」(ファイナル 森氏)
E500は低価格も支持され、これまでに50万台を販売したヒットになっている。さらにユーザーの声をヒアリングすると、「寝ながらイヤフォンを使っている」という声が多く聞かれた。「それならば入眠をサポートする製品をつくれば、需要に応えられるのではないか」と考え、入眠時に適した「ZE500 for ASMR」(希望小売価格8980円)を2025年に発売。これが、想定以上のヒットになった。
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