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離職率低下は「定着」か、それとも社員の“諦め”か──「人が辞めない会社」が見逃しがちなリスクとは?(3/4 ページ)
人が辞めないことは、企業にとって歓迎すべきことなのか──。米国で進む人々が会社を辞めない「ビッグステイ」現象を通して、日本のITエンジニア市場で起きている変化を読み解きます。
AI時代は既存社員を生かす方が合理的
ビッグステイを考える上で、もう一つ見逃せないのがAIの影響です。
生成AIの普及により、企業は「人を増やす」以外の選択肢を持つようになりました。新しい人を採用し、事業やシステム、社内事情を一から理解してもらうより、既存社員にAIを活用させる方が短期的には合理的なケースもあります。
特に、これから価値が高まるのは単なる技術知識だけではありません。
- 自社の事業を理解している
- 顧客の要望を構造化できる
- 社内の意思決定の癖を知っている
- 技術とビジネスの両方を理解している
- AIを使って成果までつなげられる
上記のような、その会社にいるからこそ蓄積できる知識やつながりに大きな価値が生まれます。
この視点で考えれば、企業が既存社員の育成や定着に力を入れる動きは合理的です。しかし、それは「全員に残ってもらえばよい」という話ではありません。企業は「誰にどの役割を担ってもらいたいのか」「どの知識を社内に残したいのか」「どの人材に成長機会や報酬を提供するのか」明確にした上で、これまで以上に戦略的な人材配置や人材開発が求められます。
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