月額550円で採算は取れる? 会員150万人、DMM TVが「まずアニメ→しっかり全体で稼ぐ」戦略:サブスクの勝算と限界(3/5 ページ)
DMM TVが月額550円という低価格で会員を増やしている。武器はアニメ。動画だけで収益を上げるのではなく、マンガやゲームなどDMMの他サービスへ利用を広げる独自の戦略に迫る。
550円で成り立つ理由
DMMプレミアムでは、会員特典として他サービスを割安で利用できる特典や、ポイント付与の仕組みを提供している。DMM TVのアプリにもマンガのタブを設置し、会員がグループ内のさまざまなサービスを回遊しやすい導線を整えてきた。
そのため、会員が利用するサービスは動画にとどまらない。2025年度の新規会員によるDMMブックスの購入額を見ると、前年度の新規会員と比べて1.7倍に増加した。「プレミアム会員になった後に、他のサービスを利用するユーザーは年々増えている」と浅川氏は語る。
会員の顔ぶれも変化している。これまでDMMは30〜40代の男性を中心に会員を集めてきたが、DMMプレミアムでは新規登録の約半数を20代が占めるようになった。浅川氏は狙い通りの結果だと説明する。
現在のプレミアム会員は、20代が32%と最も多く、30代が28%、40代が18%と続く。男女比は男性が約70%、女性が約30%だ。若年層を取り込みつつ、30〜40代も40%超を占めている。DMM全体で見ても、新規会員の約半数がDMM TVやDMMプレミアムを経由しており、プラットフォーム全体の入り口になっていることがうかがえる。
また、解約の抑制にもつながっている。動画以外のサービスも使う会員は、DMMをプラットフォームとして捉えており、継続しやすい。月額だけで見ると550円と安価だが、動画事業単体で採算を取っているわけではない。安さで会員を集め、グループ全体で回収する設計といえる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
なぜ月額2189円でも選ばれるのか 会員515万人突破、U-NEXTが描く「Netflixと違う道」
動画配信サービスの中で月額2189円と高価格ながら会員数を伸ばすU-NEXT。その理由は、映画やドラマに加え電子書籍やライブ配信などを含む独自の“オールインワン戦略”にある。Netflixとの差別化の行方を追う。
「平日昼のガラガラ時間」がむしろ“収益源”に サウナ業界で始まった空き時間ビジネス
平日昼の“空き時間”を定額で開放するサウナサブスクが広がり始めている。人気施設の低稼働時間を収益化する一方、想定外のヘビーユーザー問題も浮上。会社員の“昼サウナ習慣”は定着するのか。
「JALとANA」どこで違いが生まれたのか? コロナ禍を乗り越えた空の現在地
インバウンド需要が旺盛で、日本の観光業界が盛り上がりを見せています。では、航空会社の業績はどうなっているのでしょうか。JALとANAの決算をベースに分析したところ……。
ドトールVS.コメダ なぜ好調? 店舗数だけでは分からない「強さ」の違い
ドトールコーヒーショップとコメダ珈琲店が激しい競争を繰り広げている。店舗数でドトールの背中を捉えたコメダ。両者の決算や歴史を振り返りながら、今後の動向を見ていきたい。

