アシックスはいかにして復活したか──「箱根駅伝着用ゼロ」の屈辱から売上高1兆円を叩き出した「選択と集中」(6/6 ページ)
箱根駅伝でのシューズ着用率0%という屈辱から、初の「売上高1兆円」を目前にするアシックス。ナイキの厚底旋風による歴史的敗北からいかにして立ち直ったのか。廣田康人会長CEOの直轄プロジェクト「C-PROJECT」による最速シューズ開発や、野球用具・体操着からの撤退といった「集中と選択」、オニツカタイガーのラグジュアリー化など、日本発グローバルブランドとして復活を果たしたアシックスの勝因に迫る。
世界を駆ける「日本発ブランド」 1兆円の先に見据える覇権
「2026年の業績予想は売上高1兆円超えです。しかしそれは、まだ道半ばの通過点です。それよりもうれしいのが、今年の予想では税引き後利益が、目標としている1000億円を超えることです。シューズ中心のメーカーの税引き利益が1000億円を超えるのはかなりのもので、経営体質が良くなった証拠だと思います」
売上高1兆円突破、税引き後利益1000億円の達成は、時間の問題だろう。
廣田氏は「米国のシェアはもっと伸ばせます。中国の健康ブームを取り込めばシェア倍増も可能だと考えています。人口と所得が爆発的に増えるインドや東南アジア市場には、さらなる可能性が広がっています」と意気込む。
テニス市場においては、全仏オープン男子での着用率首位を獲得し、世界最高峰のプレーヤーたちの足を支えている。今後はバレーボールやハンドボールといったインドアスポーツ領域でも、世界トップシェアを獲得していく計画だ。
「かつて海外のホテルに行けば、部屋のテレビはどこも日本の電機メーカー製でした。しかし今、それらは韓国や中国の製品に取って代わられてしまいました。そんな時代だからこそ、私たちは『日本発の匠の技術』を原動力にして、世界の巨人たちに勝ち、世界で一番のグローバルブランドになりたいんです」
アシックスは、どん底から這い上がり「集中と選択」によって俊敏で強いブランドへと生まれ変わった。129グラムの超軽量シューズが切り拓く未来の先に、日本発グローバル企業の新たな黄金期が確実に始まっている。
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