好業績なのに“上場廃止” なぜネットワンはSCSKとの「攻めの統合」に賭けたのか(3/4 ページ)
業績絶好調の独立系インフラベンダー・ネットワンシステムズが、自ら上場を廃止しSCSK傘下に入る「攻めの統合」を決断した。身売りではなく、自らの手で次世代IT企業へと進化するための戦略的ディールだ。インフラ(NI)とアプリ(SI)の壁を壊しワンストップ化を目指す両社。文化の異なる大企業同士がいかに融合し事業領域を拡大するのか。最先端拠点「netone valley」で田中拓也COOに直撃した。
アプリとインフラの融合がもたらす「自治体DX」の深化
事業面において、両社の統合が最も大きなインパクトをもたらす領域の一つが、自治体を中心としたパブリック領域だ。ネットワンシステムズは、都道府県や中核市などのネットワークインフラ構築において圧倒的な実績を持ち、特定のコンペティションでは非常に高い落札率を誇るという。
「しかし、当社にはこれまでアプリケーションに関する提案力が欠けていました。そのため、お客さまは『ネットワークインフラはネットワンシステムズ、アプリは他社』と分けて発注せざるを得なかった状況がありました。SCSKは金融向けのマネーロンダリング対策や医療向けソリューションなど、強固なアプリケーション基盤を持っています。これを自治体向けに横展開できれば『ネットワンシステムズに頼めば、基盤からアプリまで全て任せられる』という状態を作り出せます」
また、自治体や企業が直面するサイバーセキュリティの脅威に対しても、提供価値を高めている。
「ランサムウェア被害にあった際、一次被害の全容すら説明できない企業が少なくありません。われわれは、被害範囲の特定からレポートの作成支援、そしてシステム復旧まで、お客さまの事業継続にコミットする体制を構築しています。ここまで踏み込める企業は他にないと自負しています」
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
日立が「1兆円買収」した米ITトップを直撃 日本企業の“根本的課題”とは?
日立の執行役常務と、デジタルエンジニアリングビジネスユニット(BU)のCEOも務めるGlobalLogic社長兼CEOのニテッシュ・バンガ氏に、日立との統合がシナジーをもたらした要因や、日本市場の展望について聞いた。
日立、米IT「1兆円買収」でどう変身? 文化の違いを“シナジー”に変えた手腕
「シリーズ 企業革新」日立編の4回目は、Lumada事業をさらに成長させている取り組みとして、2021年に約1兆円を投じて話題になった米GlobalLogic買収のその後に迫る。
日立の好業績を牽引する“巨大事業”の正体 日立デジタルCEOに聞く
日立は2009年当時、日本の製造業で過去最大の赤字だった状況から再成長を果たした。復活のカギとなった巨大事業、Lumadaのビジネスモデルとは――。日立デジタルの谷口潤CEOにインタビューした。
27万人の巨艦・日立はいかにしてDXを成功させたのか “知られざる変革劇”に迫る
日立のV字回復を支えたコスト構造改革とDXは、いかにして進められたのか。その裏側を、スマトラプロジェクトで中心的な役割を担った冨田幸宏・DX戦略推進部部長に聞く。
Lumadaは日立のビジネスをどう変えたのか 「部門間の連携」を生み出した変革の意味
Lumadaによって日立のビジネスはどう変わったのか。その変遷と現状について、日立製作所マネージド&プラットフォームサービス事業部の広瀬肇事業主管に聞いた。
“日立流”生成AI時代の組織再編 「ルマーダ売上2.65兆円」につなげる狙い
日立製作所が組織再編を進めている。米シリコンバレーに本社を置く「Hitachi Vantara」のデジタルソリューション事業を分社化し、新たに「Hitachi Digital Services」を設立する。その狙いは?
日立の責任者に聞く生成AIの“勢力予想図” 「来年、かなりの差がつく」
日立はどのように生成AIを利活用しようとしているのか。Generative AIセンターの吉田順センター長に話を聞いた。
松尾豊東大教授が明かす 日本企業が「ChatGPTでDX」すべき理由
松尾豊東大教授が「生成AIの現状と活用可能性」「国内外の動きと日本のAI戦略」について講演した。