2015年7月27日以前の記事
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「指示はなかった」のになぜ不正は起きるのか ニデック報告書から考える「組織の空気」問題の根深さ「キレイごとナシ」のマネジメント論(2/3 ページ)

一つの不正を正しても、組織全体の体質が変わらなければ、次の膿が出てくる。ニデックのケースは、組織における根深い問題をわれわれに投げかけているともいえる。

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「指示はなかった」のになぜ不正は起きたのか?

 今回の調査委員会による報告書で私が注目したのは、経営層による直接の指示や関与は確認されなかった、という点だ。その一方で、不健全な状態が形成・定着した理由として、

 「業績目標の達成、コスト低減、納期順守、供給継続等のプレッシャーの下、顧客要求等の順守や品質保証プロセスの一部が事業上の要請に劣後する状態」

 と分析している。


構造的問題の分析―不健全な状態が形成・定着した理由(出所:ニデックグループにおいて確認された品質不適切行為等に関する調査報告)

 つまり、役員などが具体的に「不正をやれ」と指示したわけではない。しかし、業績目標の達成を強く求める企業風土のもと、現場は「何が何でも達成しなければならない」という強いプレッシャー(空気)を感じ取り、判断を歪ませていったということだ。

 ここで誤解してほしくないのは、目標が高いこと自体は決して悪ではない点だ。

 実際にニデックは、精密小型モーターで世界トップ級のシェアを誇るだけでなく、EVやAIデータセンター向けの水冷技術など、新たな成長分野を自ら切り拓いてきた。それだけの技術力と将来性を持った企業であり、厳しい目標に挑み続けてきたからこそ、数々のイノベーションが生まれてきたのも事実だ。それだけに今回の問題は実に惜しまれる。

 問題は、目標の高さではない。その目標が本当に達成可能かどうかを、きちんと検証するプロセスが機能していたかどうかである。健全な検証があれば、たとえ難しい目標でも、全く別の視点から解決策を探ろうとする力が働く。

 しかし、検証を怠ったまま「なんとかしろ」という圧力だけが現場に降りてくると、話は変わってくる。新しい発想で乗り越える前に、「不健全な抜け道」で目標を達成できることを、現場が知ってしまうのだ。

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