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全東信の破綻で見えた「監督の空白」 クレカ・決済代行を金融庁が管轄すべき理由(2/4 ページ)

全東信の経営破綻が浮き彫りにした監督体制の不備を指摘し、「実態は金融機関」であるクレジットカード会社および決済代行会社を金融庁の包括的な監督下に置くべき必然性を論じる。

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2. 放漫経営と長期化した粉飾決算の裏にある「監督不在」

 全東信破綻の直接の引き金となったのは経営不振である。背景には、近年のクレジットカード手数料の値下げ競争激化、コロナ禍による取引先の相次ぐ廃業、さらにはコード決済などの競合決済手段の急速な普及による取扱額の伸び悩みなど、さまざまな外部要因が重なっていたと見られる。

 しかし、本質的な問題は、同社がかなり以前から粉飾決算を続けていたことが判明している点にある。これほどまでに社会的な影響力が大きい決済インフラの一翼を担う企業でありながら、その放漫経営と不正が長年にわたって放置されていたことは異常と言わざるを得ない。

 なぜ粉飾を見抜けなかったのか。その理由は明確である。同社は非上場企業であり、しかも株主は経営者と実質的に同一であったため、企業統治(ガバナンス)機能は実質的にゼロに等しかった。

 また、同社に融資を行っていた金融機関側にも強い監査権限はなく、巧妙に作られた決算数値の粉飾を見抜けずに長年騙され続けてしまった(一部の金融機関は不穏な兆候を察知して独自に融資を引き揚げていたフシもうかがえるが、全体としての抑止には至らなかった)。

 最大の構造的欠陥は、全東信のような「決済代行会社」については、その経営状況を継続的に監視し、粉飾決算や財務の非健全性を見抜く立場にあった公的機関が存在しなかったことである。

 (サービスの種類やスキームによって個別の官庁に形式的な報告義務が生じるケースはあるものの)強い法的権限を持って事業者の財務や経営実態を厳しく指導・監督する明確な省庁が存在しない、法と規制の「隙間」に放置されているのである(図参照)。

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