全東信の破綻で見えた「監督の空白」 クレカ・決済代行を金融庁が管轄すべき理由(3/4 ページ)
全東信の経営破綻が浮き彫りにした監督体制の不備を指摘し、「実態は金融機関」であるクレジットカード会社および決済代行会社を金融庁の包括的な監督下に置くべき必然性を論じる。
3. クレジットカード業界を巡る縦割り行政の限界
では、決済代行会社の上流に位置し、加盟店管理や信用供与に関わるクレジットカード会社はどのような監督構造にあるのだろうか。意外にも、日本のクレジットカード会社を監督するのは金融庁ではなく経済産業省である(割賦販売法に基づく)。
しかし、経産省による「監督」のあり方は、金融機関に対する金融庁のような細部にわたる厳格な査察とは大きく異なる。立入検査などは限定的であり、事業者の登録や定期的な報告書の受理をもって実質的な監督済みにすることが多いとされる。
ここで問うべきは、「では経産省が、クレジットカード会社に対する監督機能を強化すると共に、決済代行会社にも監督権限を広げて指導すれば、問題は解決するのか」という点である。答えは否である。
そもそも、今日のクレジットカード会社もその下支えをする決済代行会社も(「ノンバンク」と呼ばれているが)、その実態は「金融機関」そのものである。
マネーの流れを中継し、信用を創造・流通させる中核機能を担っているにもかかわらず、(割賦販売の推進という)過去の歴史的な経緯を引きずって「販売・流通の道具」という枠組みのまま経産省の管轄下に置かれ続けること自体に無理がある。
経産省の基本的スタンスは一貫して「産業推進」であり、金融機関に求められるような厳格なリスク管理や粉飾を見抜く高度な財務査察のノウハウは持ち合わせていない。「決済」という高度に金融的な仕組みのリスク管理を徹底させることには、そもそも制度的な限界があると言わざるを得ない。
縦割り行政の弊害によって、実態と規制のミスマッチが放置された結果が、今回の全東信のような悲劇を生み出した最大の原因なのである。
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