全東信の破綻で見えた「監督の空白」 クレカ・決済代行を金融庁が管轄すべき理由(4/4 ページ)
全東信の経営破綻が浮き彫りにした監督体制の不備を指摘し、「実態は金融機関」であるクレジットカード会社および決済代行会社を金融庁の包括的な監督下に置くべき必然性を論じる。
4. 決済ビジネスの実態に合わせ、金融庁の包括的管轄へ
現代の経済において、金融機関とノンバンク間の相互連関性は非常に高く、決済ネットワークや情報技術の高度化に伴い、その機能的な相互乗り入れはますます深化している。
銀行、クレジットカード会社、コード決済業者、そして決済代行業者は、ひとつの巨大な「決済・信用エコシステム」を形成しており、一部の破綻がシステム全体の信用不安や産業サプライチェーンの崩壊に直結しかねない。
したがって、個別の業態ごとに縦割りで監視するのではなく、マネーと信用の流れを一体として捉えた「総括的な監督・指導」こそが有効であり、不可欠である。
この点において、日本と産業構造が似ている欧州の動向は極めて示唆に富む。欧州では、銀行を厳格に監督する金融規制当局(日本の金融庁に相当)が、クレジットカード会社や決済代行会社を含めて一体的かつ包括的に管轄しているケースが圧倒的多数を占めている。決済サービスを「産業振興の対象」ではなく「厳格な信用リスク管理を要する金融インフラ」として捉えているからにほかならない。
日本においても、過去の経緯や省庁間の管轄争いといった古い枠組みを引きずり、「縦割り行政」の悪弊をこのまま続けるべきではない。中小零細企業や消費者が犠牲になってから慌てて規制を議論するのではなく、今こそ思い切って「あるべき姿」に正すべきタイミングに来ている。
クレジットカード会社および決済代行会社は、その実態が「金融機関の一部」であるという原点に立ち返るべきである。
両者を経済産業省の管轄から外し、金融庁の厳格な監督下に一元的に置くこと。それこそが、度重なる制度の隙間を埋め、同様の破綻と社会的混乱を未然に防ぐための唯一にして最大の処方せんであると考える。(日沖 博道氏)
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